【おそ松さん】素っ気ない人。2【一松】 (ページ22)

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70.先生の笑顔ページ22

隣に感じる熱が伝わってくる。

松野先生はどんな顔してるんだろう。

顔を見たいけど、今の私に
そんな勇気到底なかった。

カラ松先生と百合に呆れられて
私はしぶしぶ松野先生の近くへそっと寄った。

それもうざい、って思われてるのだろうか。

「じゃあ撮るよー！！！」

百合がそう言って、私と松野先生の
初めてのツーショット写真を撮ってくれた。

「じゃあ、オレ呼ばれてるんで。」

「あぁ、ごめんな！」

それからしばらくして、

松野先生はカラ松先生に一言言うと
そそくさとどこかへ行ってしまった。

私はため息とモヤモヤでたくさんで、
どういう気持ちなのかもよくわからない。

そんな私の近くへ百合とカラ松先生は
ニヤニヤした顔で寄ってきた。

「やったね！A！」

「よかったな！」

2人は、ウキウキしている。

私よりもずっと嬉しがっていた。

愛想笑いも上手くできなくて、
百合に「何その顔」と言われた。

「嬉しくないの？」

「.....いや、嬉しいっていうか。」

松野先生はどう思ったんだろう。

私は、それが気になって仕方ない。

もし、嫌われてたらもう話せない。

わたしの心がもろすぎなのか。

「.......松野先生、笑ってた？」

「え？」

「.......。」

おそるおそるこんなことを
いつの間にか聞いていた。

百合とカラ松先生は目を合わせて
ぱちくりしていた。

.....いや、こんなこと聞くべきじゃなかったかな。

「見る？カメラ。」

「.......うん。」

百合は私にさっきの写真を
見せてくれた。

しぶしぶ見てみた。

「.........笑ってる。」

「でしょ？」

「割と笑顔じゃないか！！」

そこに写っていたのは、私の不安定な顔と
いつもは見えない笑みを浮かべる
松野先生の顔があった。

カラ松先生と百合は「真顔なわけ
無いじゃないか！」とかなんとか言って
キャイキャイ言っていた。

「現像したらあげるからね！」

「.......ありがとう。」

純粋無垢な笑顔を向けてくれる百合に
私は少し照れくさくなりながらお礼を言った。

カラ松先生と目が合うと、安堵な笑みを
浮かべられてちょっとかっこいいなとか
一瞬思って踏みとどまった。

それが、高一の球技大会のことだった。

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