【おそ松さん】素っ気ない人。2【一松】

67.曖昧な答え ページ19

カラ松先生は私の手を離して
慌てて誤解を解いていた。


松野先生はニヤニヤした顔して
なんにも言ってなかったけど。

私には顔を見るのすら
なんか恥ずかしい。



...会った最初はもっと目を見て話せてたのに。




「まぁ、...一松先生、なぁ？」

「引っ付かないでもらえます？」



カラ松先生は松野先生の
肩に手を回して引っ付いていた。

顔が似てるからなんか鏡合わせに見える。



「何してんの？」

「.......え、」

「話しかけにいきなよ！」

「いや、む、無理...！！」


その光景を遠くから見たり見なかったり
していたら百合が後ろから
小さい声で耳打ちしてきた。

カラ松先生もやたらこっちを
ジロジロ見ている気がする。




...いや、無理だって。

何話せばいいかも思いつかない。

好きじゃない時は何でも
聞けた気がする。


皮肉だって、たわいない話だって。




でも今は、

何を言われるのもなんか怖い。


言葉の1つでうき沈んだりして、
期待したり傷ついたりするのも苦しい。






「...........、」





愛想笑いだけしか出てこなくて
何も声が出なかった。







好き、ってこういうことなのか。

人を好きになったことなんて
あまりないからわからない。


でも、やっぱり好きだって
実感出来るのは、

毎日会える喜びがあるから？








「なんですか、呼び出しといて。」

「いや？そういや、お前彼女居たっけ。」



百合と少し遠めにカラ松先生達の
会話を聞いている。





「.......、」



"彼女"っていうワードに少しビクってした。



別に関係ないけど。

関係ないし何も言えないけど。



なにか引っかかる。









もし居たらなんて言われたら。









「...なんですか、いきなり。」

「やっぱ、一松は女生徒達から人気だろ？
だから気になっちゃうだろ。」

「.......はぁ。」




カラ松先生とバチッと目があった気がした。






まさか意識して聞いてる？


...そんなことして、もしいるなんて言われたら。























「さぁ、知りませんね。」







ザワつく私の心を更に
ざわつかせるように松野先生は
曖昧な答えを出した。

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