61.真面目な顔 ページ13
「長嶋さんは今から審判だな?」
「はい。」
「頑張れよ!」
「.....はい。」
肩をバシバシ叩いてガハハと笑うとカラ松先生は近くの椅子に座り込んだ。堂々と座って思いっきり足を開いている。
...一体どういうつもりで見てるんだ。
「カラ松せんせー、ここの監督ー?」
「あぁ、そうだぞ。」
「えー!やばー!でもいちまつせんせーがいいなー」
「ふっ...一松は男子のコートにいるさ...。」
チームで固まるとちらっと3年生と話す声が聞こえてきた。
やけに派手に着飾った3年の女子達がこれから試合でコートに入るにあたってカラ松先生を囲むようにしていた。
...やけにモテてる。やっぱ顔だけはいいんだ。でも松野先生に負けてるんだ...。
私はゼッケンの番号を確認してチェックを付ける作業をしていた。
少し地味めの2年生たちと、カラ松先生と話している派手めな3年生たちが戦う。...けど、3年生たちが並ばないせいでチェックがしづらい。
「ねぇ、せんせー、写真とろ!!」
「写真?」
「ちょっとだけ!」
3年生たちはグダグダとカラ松先生に絡みまくっている。写真撮ろうなんて言ってデジカメで撮ろうとしている。
...これじゃチェック難しい。ってか、早く並んでほしい。
「A。」
「.....大丈夫。」
見かねた百合は私の顔をじっと見た。愛想笑いで受け流して3年生達の方をじっと見る。
...上級生だからって
「.......あの。」
そう思っているとカラ松先生が椅子から立ち上がる音がした。
「ちょっと待て、写真は後でいいな?」
「えー?ちょっとだけじゃん!」
「ダメだ、試合が始まる。これからやるんだから今はカメラはよせ。」
「なにそれー!」
「審判を困らせることするな、並べ。」
そして、顔がびっくりするほど変わったように真面目になった。唖然として口を開けてぽかんとしている
1年生の私たち。
3年生たちは困惑しながら私たちをキッと睨みつけてきて少しびびった。
...いや、理不尽だよね。
「今は...だぞ、後だったらいいから。」
そう言ってカラ松先生が言うと3年生たちはキャーキャー騒ぎ出した。
...かっこつけてる。ツンデレのつもりだろうか。目が合ったカラ松先生に謎にウインクされて背中がゾワっとした。
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永松(プロフ) - 夢主が恋に気づき出して意識し出しているところがたまりません可愛いです!一松sideがないのが余計夢主の心情に食い込むのがいいです! (2022年11月16日 11時) (レス) @page4 id: a7a9653a86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ずんずんずっくり | 作成日時:2018年8月31日 16時