松野家の六つ子に妹ができた話。

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トド松さんの言う痛いの一言にカラ松さんはショックを受けたようで、なぜだなぜ俺は愛するbrotherを傷つけてしまう…と呟きだす。

それを完全にスルーしてトド松さんは立ち上がると私のそばへと近づいてくる。


「おそ松兄さんとカラ松兄さんの横なんかじゃなくて、僕の横においでよ！」


私の手をするりと取ったかと思えばそのまま流れるように自分の座っていた場所へと私を連れていき隣に座らせて満足気に笑みを浮かべる。

あっという間に私はトド松さんと一松さんの間にすっぽりと収まった。


「あー！！おい、トド松！なんで俺が先に呼んだのにそっちに連れてくんだよ！」

「だっておそ松兄さんとカラ松兄さんの間なんてAちゃんが可哀想だよ」

「どういう意味！？」


ぶーぶーと文句を言うおそ松さんをこれまた綺麗に無視してトド松さんは私に携帯は持っているのかと聞いてくる。

一応持たせてもらってはいるがほとんど使ってはいないことを伝えると、今どきの女子高校生が珍しいと驚かれた。


「LINEやってるー？」

「あ、一応アプリは落としてありますけど」


ポケットからスマホを取り出しLINEの画面を見せるとトド松さんはやった！と嬉しそうに笑ってLINEを交換しようと自分のスマホを取り出す。

そのやり取りを見ていた周りも俺も、俺もと自分のスマホを取り出していく。


誰も追加せずにからっぽだったLINEの友達欄に６人の名前が表示された。


「Aの髪ってさ、地毛？」


最後にLINEを交換したチョロ松さんがそういえば、と思い出したように聞いてきたのは私の髪についてだった。

あれ、松代さんは六つ子に私の事を話してあると言っていたのに…


「一応、これは地毛です。目もカラコンとか入れてなくて、元々この色で…」

「へー、そうなんだ。すげぇ」


「松代さんから、私の事聞いてないんですか？」


私の問いかけに六つ子は苦笑いを浮かべながら、実はあまり話を聞いていなかったのだと少し申し訳なさそうな顔で言う。

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