松野家の六つ子に妹ができた話。

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赤塚高校は古い歴史のある学校だが、建物はつい最近改装工事をやったところらしく、新築のようにきれいだ。

私の担任だという教師に連れられて廊下を進んでいくとすれ違う生徒や、教師からの視線を感じた。

この容姿はかなり目立つ。
じろじろ見られるのは慣れてはいるが、あまり気分がいいものではない。

教室へ着くと、担任は先に教室へと入っていき中の雰囲気は一度しんと静まり返ったかと思えばすぐにざわざわと騒ぎ始めた。

すると、すぐに担任が廊下へと顔を出し入ってきていいと私に声をかける。


教室へ入った瞬間、また教室の中がしんと静まり返ったのが分かった。

私を見たまま固まるクラスメイト達を見るといつも少し笑ってしまいそうになる。


「高野Aです。…気になっていると思うので言いますが、私はアルビノです。これは地毛ですし、もちろんカラコンなんて入れてませんので」


よろしくお願いします。

最後に深々とお辞儀をして顔をあげてみるとクラスメイトの大半が向ける視線は好奇心を含むものだった。
私の席は窓側の一番後ろの席になった。

隣に座るのはショートカットの活発そうな女の子で私が座るや否やすぐに声をかけてきた。佐伯菜緒と名乗った彼女はよく笑いよくしゃべるようで、自己紹介をした流れで授業が始まっているというのにしゃべりまくる彼女の額に担任のデコピンが炸裂していた。

＊＊＊


この学校の生徒はどうやらものすごく好奇心旺盛であり活発らしい。

休み時間に入った途端私の机の周りは一瞬で取り囲まれしつもんの嵐だった。
私は聖徳太子ではないというのに、全員からいろいろな質問を投げかけられても答えられない。

とりあえず一人ずつ質問してもらうことには成功したのだが、どこからそんなに出てくるのか、次から次へと投げかけられる質問の雨。

しかもほかのクラスの生徒までくる始末で、学校が終わるころにはへとへとだった。


放課後もつかまっていては私はいつ帰れることやら…

最後の授業が終わった瞬間にすぐ荷物をまとめると、そそくさと教室を出た。


「あ、いた！高野ちゃん！」


内履きを履き替え外に出ようとした時、後ろから呼ばれて振り返ると佐伯さんが立っており、一緒に帰ろうとにっと歯を見せて笑っていて。

特に断る理由もなかったため、了承すると佐伯さんはすごく嬉しそうに笑って走ってきた。

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