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赤塚区には世にも珍しい六つ子の兄弟が住んでいる。
一卵性の六つ子でその顔は見分けがつかないほどそっくりで、その上服装まで一緒。
6人揃って並んで歩こうものならそれはそれは目立ち、町中に知らぬ者はいないほどの有名人だ。
そんな六つ子は全員、超がつくほどの悪餓鬼であった。
そのそっくりな容姿を利用して悪戯を仕掛けては町中の人を困らせる。
その様子は小学校、中学校と学年が上がっても変わらなかったのだが、高校に上がった途端それぞれが個性を見出していく。
自身のアイデンティティを確立していくと、あの悪名高き六つ子達が、まぁ大人しくなったものだと言われるほど趣味や部活動に専念していった。
そんな六つ子達も今や20歳を過ぎ大人になった彼ら。
どんな大人になるのかと思えば…全員揃ってニートになる道を選んだのだった。
親のスネを齧り平日だろうが休日だろうが関係なく昼間まで寝て、パチンコ、競馬、麻雀などギャンブルで金を溶かしまくった挙句。
昼間から酒を飲んでゴロゴロ過ごすような典型的なクズニート。むしろ清々しいほど。
そんな彼らは今、今世紀最大級の衝撃を受けている。
いつもはニート達と、適当に呼びつける松代がその日は一人一人の名前を呼んで話があると言ったのだ。
いつも六つ子が使っているちゃぶ台を囲んで家族8人が座る。
普段は穏やかな雰囲気を纏う松代がいつになく真剣な表情を浮かべるものだから、六つ子の額には冷や汗が滲んでいた。
もしかして、いつまでも働かずに親のスネを齧り続ける自分達についに愛想をつかしたのではないか、働かないなら出て行けと家を追い出されるのか。
そんな事を考えて不安気な視線を送る六つ子に対して、松代はその口を開く。
「今日はあなたたちに大切な話があります」
松代の隣に座った六つ子の父である松造からは、いまいちその表情から感情を読み取ることは出来ない。
松代の一言にギクリと肩を震わせ、そこに続く言葉を今か今かと待ち続ける六つ子の頭には、どうやって縋りつこうかという事しかなかった。
「明日…」
ゴクリと六つ子達が唾を飲む音が響く。
ダラダラと流れる冷や汗は畳に小さなシミを作っていった。
少しの沈黙のあと、ついに松代が再び口を開く。
「明日…あなた達に妹ができます」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ゆきな(プロフ) - 松野家兄さん方ナイス!でもあなた方は男性なんで女子の私に任せてください!精神的につぶしますから(笑顔)モブ女子?さん!少しお話しようか!(黒笑)…これからも頑張ってください-w続き楽しみにしてます-w (2019年2月25日 22時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 続きみたい (2019年2月25日 18時) (レス) id: 2ba1387257 (このIDを非表示/違反報告)
珠愛(プロフ) - 凌さん» コメントありがとうございます!お褒めいただきありがとうございますっ!!とても嬉しいです!おっそい更新で申し訳ございません…頑張ります (2018年7月28日 15時) (レス) id: 600712081e (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 凄い小説作るの上手で羨ましい限りです…更新ファイトです! (2018年7月28日 15時) (レス) id: 6cdbac58dc (このIDを非表示/違反報告)
珠愛(プロフ) - 京松(ちかまつ)さん» 京松さん、コメントありがとうございます!返信遅れてしまってごめんなさい…。私の名前は珠愛とかいてしゅなと読みます。読みにくい名前なので謝らなくても大丈夫ですよ^^更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 600712081e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠愛 | 作者ホームページ:ニャンニャンニャン♪♪♪
作成日時:2017年9月22日 19時