松野家の六つ子に妹ができた話。

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昭和の雰囲気漂う二階建ての一軒家。
ぼーっと、建物を見上げて立ち止まる私の手を掴んで松代さんは中へと入っていく。

家の中はしんと静かで、松代さんはいつもならもっと騒がしいのにと笑った。

家の奥に進んで一つの扉の前で立ち止まる。


「ニート達、帰ったわよ」


松代さんが先に部屋の中に入ると続けて私も部屋の中に入る、すると、中には話通り同じ顔をした６人の男の人がこちらをじっと見つめていた。

何も言わず、ただこっちをずっと見つめる６人の目に晒されて、なんとなく居心地が悪くなる。


「えっと、あの…私の顔に何かついてますか…？」


やっとの思いで絞り出した言葉に６人の反応は返ってこなかった。

どうすればいいんだこれ、そんな視線を松代さんに送ると松代さんは少し困ったように笑って６人へと視線を向ける。


「ほら、ニート達、この子が今日からあなた達の妹になるのよ。挨拶しなさい」


その一言で我に返ったような表情になる六つ子達は順番に名乗り始めた。

１番初めに赤いパーカーを着たおそ松さん
２番目に青いパーカーを着たカラ松さん
３番目に緑のパーカーを着たチョロ松さん
４番目に紫のパーカーを着た一松さん
５番目に黄色のパーカーを着た十四松さん
６番目に桃色のパーカーを着たトド松さん

一人一人の顔と名前を一致させるように自分の中で名前を繰り返していき、最後にまだ自分が名乗っていないことに気づいた。


「高野Aです。…えっと、今日からお世話になります。よろしくお願いします」


緊張のせいか硬い声を精一杯大きく発して、ぺこりとお辞儀をすると、６人からはよろしく！と息の合った声が聞こえてきた。

今日から私は彼らの妹になるのだ。

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