説明? ページ1
「あなたはこの本さえ読むことはできない」
これが私の結論である。
語弊(ごへい)に怯え、誤解を恐れ、断言を避け、
名言に裂かれたこの私が、
最後に残したかった正真正銘の本音であり――傷心証明の結論だ。
私の驕(おご)りだ。
私は何一つ語ることができす、
全て回りに騙(かた)らせてしまった。
無垢で無言で無知な私が。
そんな私が最後に手にした――可能性なんだ。
本に限ったことではない。
世界の構成要素など、
所詮は二つ、『不可能』と『不条理』以外にない。
所詮、世界には不可能命題しか溢れていない。
ただ整合的結論が、ある一定の秩序(ちつじょ)を
伴ったときに道理と真実にすり替わるだけのこと。
もう一度言う――世界は不可能でできている。
私には夢があった。
夢は欲望が孕(はら)んだ。
欲望は不可能な事象が生んだ。
不可能な事象は完全を望んだ。
完全への渦望は世界を創った。
世界は私に――夢を見させた。
甘い甘い、夢を。
螺旋(らせん)のように渦巻き、無情に浮上し、
胡散霧散した世界に、なんの可能性が見いだせるというのだろうか。
嘘だと思うなら試してみればいい。
幸い――いや、災い、人生は死ぬまで徒労(コンテニュー)が無制限なのだから。
↓CONTENTS↓
・プロローグ
・第一章 難題1―自由―
・第二章 難題2―恋―
・第三章 難題3―未来―
・第四章 不可能命題1―生存―
・最終章 不可能命題2―死亡―
・エピローグ
・あとがき
ありがとう
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作者名:安里 | 作成日時:2013年9月16日 11時