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『もしかして一郎うちの事覚えてない？』
一「ああ。すまないが少しも覚えてないな。」
二「なんで俺には確認しないんだよ」
『だって二郎は、1個違いやしうちが覚えてないんやったら二郎も覚えてないかなと思って』
二「俺とお前1個しか違わねーのか？」
『そうやけど何が言いたいん？もしかして背のこと？』
二「16にしては小さいなと」
『は？喧嘩売ってる？売られた喧嘩は、オトンが買うで。』
一「あんたが買わねーのかよ」
二「ていうか、お前ずっと親父と暮らしてたのか？」
『その前に、なんで名前で呼んでくれんの？もしかして、うちの事名前も呼びたないぐらい嫌いなん？』
そうだったら申し訳ないことをした。
名前も呼びたくないぐらいだとしたら、顔も見たくないはずだ。
それなのに、何も考えずにノコノコ会いに来てしまった自分を憾みたい。
やべぇ考えてたら涙出てきた。
うちすぐ泣く女嫌いやのに。
もっと嫌われたらどうしよう。
あっやばい本格的に泣けてきた。
一「いや。嫌いな訳ではないよな二郎？」
二「そうだぞ。なんて呼んだらいいかわからなかっただけだぞ。」
なんか、めっちゃあわあわしながら、宥めてくれてるやん。
めっちゃ優しいな。
『ありがとういち兄、じろ兄うちの事は、Aって呼んで？』
あっしまった嬉しすぎて一兄に抱きついてもうたし勝手にいち兄、じろ兄って呼んでもた。
今のが社交辞令やった場合のこと考えてなかった。
もうどうにでもなれ！
一「尊い」
『え？』
二「兄ちゃん大丈夫か！兄ちゃん！」
『やっぱりうちに抱きつかれるの嫌やった？』
二「違ぇーよ。これは嬉しいんだ。」
なんとも分かりにくい喜び方やな。
まぁ喜んでもらえてるんやったらええか。
『じろ兄も？』
勢いで抱きついたけどじろ兄からは許可もらってなかったわ。
まぁええやろ。
二「可愛い。」
『え？』
二「違くてえーと」
顔真っ赤にさせながら弁解しても説得力無さすぎるやろ。
『うわぁーじろ兄めっちゃ可愛い〜』
二「ばっ何言って」
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作者名：Chizuru | 作成日時：2022年6月18日 22時
