あの日に始まった片想い【◇】

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その後。試合は2・3年生のチームが圧勝。

しかし、1年生の沢村くんと小湊くんが1点を取る
展開もあった。



今日の試合のことを思い出しながらスコアブックを
高島先生に渡しに監督室に向かった。







『失礼します！高島先生、スコアブックを…』

「あら、ありがとうAちゃん」





そこには、高島先生と御幸くんがいた。

高鳴る鼓動を抑えて、高島先生にスコアブックを渡す。


先生は渡したスコアブックをめくって微笑んだ。

「Aちゃん、書き方上手くなったわね。
これなら今後も頼めるわ！」



高島先生に言われた言葉が嬉しくてつられて笑顔になる。


『ありがとうございます…！』

「だろ〜礼ちゃん。俺が認めたからな」



ニカッと笑う御幸くんを不思議そうに見る高島先生。


「あら、御幸くん指導したの？」

「いいや。Aが努力してる姿を見ただけだよ」



御幸くんの言葉ひとつひとつが心に響いた。


「そう。今日はありがとうね！
暗くなる前に帰りなさい」

『はい、失礼します！』



挨拶をして部室を後にした。



『…はぁ…私、生きていけないよ…』






御幸くんに褒められて。

今日あったことは私の中では事件とも言える。






『…明日も頑張ろう』


心に誓い帰路についた。

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