黄金の国の出身？いいえ、日本出身です (ページ9)

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【黄金の国からの新入生①】ページ9

～学園長side～

その生徒たちを見た時には、この二人は本当に生きているのだろうかと思いましたよ。

魔力のない生徒に、入学させろという魔物。

前代未聞すぎる問題が二つも重なり頭が痛いと思っていれば、鍵は開いているというのに未だに開かれない扉が二つあることに気づきました。

そしてその扉の向こうにいるであろう二人の生徒の身元を思い出し、思わず頭を抱えてしまいましたよ。

【ユキ・サモンジ】

【アキ・アワタグチ】

【黄金の国】と呼ばれている、ほとんどの国とも関わろうとはしない謎の国。

ありとあらゆる不思議な技術を持つと言われているのに、まるで何かが守るかのように近づくことが許されない国。

そんな国から、この二人の生徒は来ました。

ここで間違えるわけにはいきません。

ただでさえ、彼らの入学は他の親族からの否定の言葉を説得したうえで成り立っているのですから。

正直、写真はありませんでしたがこれを知った時は本当に嬉しかったのですよね。

何しろ、あの国から生徒が来たのは我が校が初めて。

とても名誉なことです。

我が校のライバル校でもあるあのRSAにすら入学したことのない生徒。

最近は負け続きでしたが、この意味では勝った気分になりましたよ。

まあ…………どのような生徒が来るのかはわかりませんが。

何しろ、写真がなかった理由が本人や親族の写真嫌いですからね。

やはり、一癖も二癖もある生徒が来るのでしょうね。

そう思っていれば、その扉が開きました。

それと同時に出てきた生徒に、この場にいた全生徒が息をのみました。

流れるような烏の濡れ羽色の髪に、ほっそりとだけれどバランスの良い体。

神秘的で蠱惑的な雰囲気を持つその生徒は、正直に言えば本当に生きているのだろうかと疑問を持ってしまいました。

まるで高価な美術品の人形のような生徒。

そしてその生徒を守るように周囲を見回す、透明のような白銀の髪を持つもう一人の生徒。

儚げな容姿をしているというのに、もう一人の生徒の瞳はまるで選定するかのように周囲をギラギラとした瞳で見まわしていました。

アキ「さーて、大将。とりあえず、俺らはどうすればいいんだ？」
ユキ「…………知りませんよ」