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夜の顔は、鬼に気に入られる（１） ページ15

〜ユキside〜


【行動の予想も理解もできない男】

これが、私にとって茨木童子と呼ばれる妖怪の印象だった。




私は、事故で死んだはずがなぜか桜の木の下にいた。


私は、とある男の子の夜の顔として生まれた。

昼は男、夜は女。
前世ではありえないような事が、この体では起こる。

実際に、このことには私もお坊ちゃまも驚いたし、周りもとても驚いていた。


私とお坊ちゃまは、妖怪のヤクザの若頭的な立ち位置に生まれた。

科学が発展している時代に妖怪なんていたことに驚いたけど、まあ別にいいかと思った。

実際に、私とお坊ちゃまはクオーターのようなもので一応妖怪の血も入っている。

お坊ちゃまが人間バージョンで、私が妖怪バージョン。

とはいっても、お坊ちゃまが小さい頃は私が表に出ることはなかったけれど。



私は、お坊ちゃまが幼い頃はお坊ちゃまの中の桜の上でずっと見ていた。

父親が死んだりといろいろがあった時も、私はじっと見ていた。

幼い頃は爺さんのような存在になりたいと言っていたお坊ちゃまは、成長するごとに人間に近い思考をするようになった。



お坊ちゃまは、いったいどうするつもりなのかね。


人間に近い思考をしているのであれば、妖怪の発想は明らかに嫌悪を感じるだろう。

だって、妖怪のやっている行為は一般的な人間が忌避する【周りに迷惑をかける行為】なのだから。



まあ、いろいろあってやっと継ぐ決意をしたからよかったけれど。

お坊ちゃまは子供だからかときどき甘い考えを持っているけれど何度か会話をすれば、ある程度はこちらの考えていることを理解できるようになってきた。

まあ、社会を経験していない子供だからというのもあるんでしょうね、あの甘さには。



リクオ「ねぇ、ユキ」


考え込んでいると、考えていたお坊ちゃま本人に話しかけられた。

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