【短編】すたんぴーど・がーる【あほの坂田。】

苦しいって ページ6

*


なんか苦しいな


あれ？


ここどこだろう



『誰かいますかぁ…』


誰か、と呼んでも返事なんかない。


なんで？


なんで？


なんで…




どこからともなく聞こえてくるのは電子音


まるで子守唄のように、一定のリズムをゆったりと刻んで流れていく。


怖いよ、


怖いよ坂田くん。


今どこにいるの？


……ねぇ、助けてよ。


この期に及んでまだ君のことを考えてしまっている私はダメな奴だ


『うぐッ…!?ｶﾊｯ、ｶﾊｯ…』


何かが込み上げてきて咳き込むけど何も出なくて生唾だけが飛んでいく


＿A、A。…起きてぇな、なぁ！


あぁ、ついに幻聴まで聞こえるようになっちゃった


大好きな、大好きな坂田くんの声。


最愛のあなたの声を聞きながら死んでしまうならもう構わない。


この苦しみから早く解放してよ。

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