【銀魂】空から女の子が降ってきました。20

第七百七十三訓 ページ7

岩壁の傍の通路を走っている内に、段々場所が開けてきた。近いな。






『はっ、は、』






刀を持って走って、走って、走る。背中に感じる温もりは、もう一つとして無いけれど。


でも銀時君達ならきっと自力で抜け道まで来る。私の手引きなんて要らないくらい勢い良く。


…………だって銀時君は私と同じく、アイツにけじめ付けないといけないんだから。






『＿＿＿＿っ！！』






するとその時……百地さんが言っていたのであろう摩利支天像が見えてきた。


岩壁の間に聳え立つようにしてある大きな大きな像。三つの顔と六つの腕。腕にはそれぞれ色々な武器を持っており胡座をかいているその像。


恐らくかなりの職人が掘ったものなのだろう。そしてあの摩利支天像のすぐ隣に抜け道が＿＿＿＿












『…………は?』












が、そこで思考は止まった。





目の前には、抜け道の前にいるさっちゃんと全蔵君。これは予想通りだ。だが…私が驚き思考を止めた理由は、










『…神、威……高杉、』










そこに、神威と高杉がそれぞれの勢力を引き連れてその場にいたから。

そして大怪我の全蔵君と思われる男は満身創痍のまま奴等と戦っていて、そしてさっちゃんが＿＿＿＿










神威の傘のものと思われる銃弾で、肩を貫かれ血だらけで倒れていたから。










(……………………待て、待って待って待って待って待って待って、落ち着け、落ち着け落ち着け私)









＿＿＿＿やはり、この二人に抜け道の事はバレていた！！









(どうする、私はどうすればいい？いやまずあの二人はどこまで知ってる、将ちゃんの事についてはもう伝わってるのか？)






取り敢えず岩陰に身を潜めて様子を窺う。


抜け道だったはずの通路の中からは、神威達第七師団が。その前方には高杉達鬼兵隊が集まっていて……どうやらさっちゃん達は挟み撃ちにされた様だった。






ぐるぐるとこの絶体絶命の状況で思考を回す。柔らかいと散々言われてきた頭を叱咤して。






(どうする……！どうするどうする！！考えろ……！まずあの抜け道はもう使えない……！使うにしたら神威達に退いてもらわないといけない！！その場合私だけじゃ無理だ！！)






つまり今私に精々出来るのは……さっちゃんと全蔵君を助け出し、敗走すること。












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