第七百七十一訓 ページ4
涙を堪えて前を見据えれば、目線の先で将ちゃんが微笑んでいるのが見えた。
銀時「心配しなくても真選組の依頼だ、報酬はきっちり頂くさ。アイツらにも…将軍様にも。皆生きて戻ってな」
そうして、万事屋と将ちゃんと一緒にまた摩利支天の像の抜け道とやらへと走り出した。
銀時「だから今は、振り返るな。俺達ゃ見ている方向はバラバラでも____帰るべき場所は、同じだ」
『っ……!』
近藤さん、トシ。百地さん。絶対絶対、生きろよ。そんで私にそのツラを……拝ませろ。
(……今はただ、何も考えず走れ…抜け道まで!!)
走れ。走れ。走れ。
だってきっとそこには、さっちゃんと全蔵君も居るはずだから。さっちゃんが無事だったら……ご褒美に褒めて、抱き締めてやるんだ。
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______あれから、ただただ私たちは岩壁に沿って走っていた。足場が不安定で体力削られるけど。
だが、走る陣形はかなり良い。
陣形としては変わらず将ちゃんの傍は私と新八君。私が先頭に立って走り周りを観察していきその後ろに将ちゃん。
将ちゃんの周りを守る為に横に新八君が控えており、その後ろを銀時君と神楽ちゃんが固めている。何かあった時の殿を務める為だ。これが最適解。
(……それより岩肌が細かくなってきたな…足場も段々安定してきてる。つまり、)
______抜け道が、近い。
『……将ちゃん、抜け道の詳細は分かるかい?』
茂茂「そこまで詳しくはないが…確か、摩利支天像付近の岩の一部を動かすと像が大きく揺れて横にずれた筈だ」
『その先が抜け道か……』
岩の一部……ね。それはよく分からないがさっちゃん達と合流出来れば何とかな______
_______ズゴゴゴッ、!!!!!
『!なんだ……?』
すると、其の瞬間岩壁が何かの振動で揺れ始めた。地震と似たそれだが……どうやら揺れているのは岩壁だけ。それに震源も結構近い。
警戒して走るのを辞め、その場で将ちゃんを護るように立った。
新八「これは……?まさか、敵ですか!?」
茂茂「いや、抜け道の方から揺れが伝わってくる…これは恐らく誰かが抜け道を開けた振動だ…!」
『!』
______さっちゃんだ。
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RENKA - 初コメ失礼します、感動しました号泣です涙止まんないです!!心がキュンキュンしました!!もうキュンキュン通り越してギュンってなりましたよ!← これはホント何回みても飽きないですマジで!!最高っす!!!ってことでちょっともう1回読んできますね(( (2022年7月5日 11時) (レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 涙止まんなすぎてバスタオルで拭きました最高ですめっちゃ感動しました!!!!! (2022年7月4日 21時) (レス) @page41 id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - イルさん» 将軍暗殺篇はこれにて閉幕です、NEXTとしてはさらば真選組編ですね!!ハンカチのご用意を……w結構心理描写が精神的に来るものがあると思われますです……更新頑張ります!将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 雑草のかきあげ(仮垢)さん» 最初からw!?!かなり長いですよ!?w大丈夫ですかほんと無理しないでねw!?!更新頑張りますw将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - つなかんさん» いやこちらこそぎゅんぎゅんして頂いた様で(?)良かったです、更新ノロマですが宜しくお願いしますw!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年5月3日 15時