１２４話 ページ27
朝、キッチンへ足を運ぶといつもより早起きなツナくんたちと鉢合わせた。
後ろに広がるのは真っ黒の物体がフライパンに乗る光景。
そんな状況を見兼ねて、これよりはマシなものが作れるだろうと｢私が作るよ｣と申し出た。
｢本当か？ すっげー助か｣
｢誰がテメーの助けなんか借りるかよ｣
山本くんが私の申し出を受け取ろうとした瞬間、獄寺くんが割り込んできてふんっと鼻息を荒くした。
何を作るつもりだったのか知らないが、あの真っ黒な何かが完成系とは到底思えない。
｢ならそこで焦げてる物体を食べるの？｣
昨日は反論しなかったけれど、いまだに強がる獄寺くんに私も我慢の限界が来ていた。
充満する焦げ臭ささ。
何もかもが上手くいかない現状のようで、腹立たしくなる。
指摘すると、ランボくんが｢お・な・かすいた！｣と泣き出した。
｢……ランボくんの分だけ作る｣
何もできないのにコンロを占領する獄寺くんを見ずに調理台へ向かうと、舌打ちをしてその場を退いてくれた。
何をやっているんだ、私は。
中立とは言っても、隠し事をしている以上は私はほぼこちら側なのに。
それなのに獄寺くんに当たって、何がしたいんだ。
｢あー！ 獄寺のアホがAのこと泣かせたもんね！｣
いつの間にかコンロ横のシンクにランボくんは立っていた。
私も私で、涙こそ流していないものの瞳に涙が溜まっている。
泣いたと誤解させないために急いでランボくんに笑いかけた。
｢泣いてないよ！ あくび、あくびしただけ！ 朝だから眠くて。ほら、危ないから向こう行っててね｣
慌ててランボくんを抱き上げて近くにいたツナくんに預ける。
｢A、オレたち自分でなんとかするから。辛いなら……｣
｢タコヘッドも言い過ぎだぞ。オレたちのためを思って言ってくれたのではないか｣
｢さすがに謝った方がいーんじゃねーか？｣
ツナくんに便乗して笹川先輩と山本くんまで私に味方しようとしてくれる。
私はそんなことしてもらえる立場ではないのに。
獄寺くんを悪者にして、これ以上何が生まれるんだ。
｢何も辛くないよ。ほら、涙だって流れてないでしょ？ むしろ私だけずるい立場にいて申し訳ないくらい。……ごめんね、獄寺くん｣
｢A……｣
｢謝りついでに皆の分も作るね｣
話さないことで喧嘩になるなら、私も話した方がいいのかもしれない。
でも、話すにしてもそれは今じゃない。
だって今は京子ちゃんたちのことで忙しいのだから。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
