１２３話 ページ26
｢何か話し合い？｣
キッチンには先客がいて、その人たちは円になって話し合いをしていた。
｢おめーはどっちの味方なんだよ｣
威圧的な獄寺くんのその発言に、京子ちゃんたちのことかと苦笑した。
｢私もさっき京子ちゃんたちから事後報告されて驚いちゃって……。私は中立だよ、どっちの気持ちも分かるし……｣
｢なっ、ずりーぞ！｣
獄寺くんはガタンッと勢いよく椅子から立ち上がって掴みかかってきそうな勢いでこちらに来たため、驚いて少し後退りする。
京子ちゃんたちの気持ちを理解できるのは嘘ではない。
けれどあと一週間後には解決することだ。
解決できなければ嫌でも事態を把握することになる。
なんでもいいや。
そう思ってしまっていた。
｢手伝えることあったらなんでもするよ。料理も、ふたりみたいに上手くないけど、少しならできるし｣
妥当白蘭以外にも、私は自分で処理しなきゃいけないことがあるのに。
そんなことにまで巻き込まないでくれと、そんな風に。
私はなんて浅ましい人間なのだろうか。
心の声が読まれる世界に生きていたら私に友人なんていなかったかもしれない。
｢中立ならお前があいつらを説得しろよ。オレらだって修業で忙しいの知ってんだろ｣
｢おい、獄寺……｣
見るからに不機嫌な獄寺くんは椅子に座り直して偉そうな態度でそんな要求をした。
修業が捗っていないことは休憩中の皆を見たら一目瞭然だったが、そんな言い方しなくてもいいのではないか。
無茶な要求をしてくる獄寺くんを山本くんは宥めるように名前を呼んだ。
｢それじゃあ中立じゃなくて完全にこっちの味方ってことになっちゃうよ｣
暗にそれができないことを獄寺くんの神経を逆撫でしないように苦笑混じりに説明する。
｢今の事情話せねーのはお前も分かんだろ！ 何へらへらしてんだよ！｣
｢ちょっ、獄寺くん！ Aを責めるのは違うよ！｣
突然怒鳴られて肩が大きく跳ねた。
獄寺くんも修業が上手くいってなくて、それなのにこんなことになって。
ピリピリしてしまうのは仕方ない。
｢ごめん｣
でも、皆に隠し事をしている私がどっちにつけると言うのか。
これ以上獄寺くんを怒らせないように謝る、私にはそれしかできなかった。
言い返すことなく謝罪のみを残した私に獄寺くんがそれ以上何かを言ってくることはなかった。
しんと静まり返るその場に居ずらくなった私は、冷蔵庫からお茶を取り出して足早に自室へ戻った。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
