１１話 ページ13
【？視点】
ガタリと物音がした。
光源が月明かりのみのこの施設は暗いが、誰が来たのかはだいたい察しがつくので問題ない。
「千種ですね。……おや？」
「何か知ってるかもしれないので」
そう言って千種は担いでいた人を乱暴に床に落とした。
「並盛中の生徒ではあるようですが……」
落とされたその少女が身につけているのは確かに並盛中の制服だ。
意識があるのかないのか、呼吸だけはなんとかしているようだが僕のところまでは呼吸音が聞こえない。
ほぼ虫の息と言っていいほどだ。
「獄寺という名を呼んだので、三位と知り合いなのかと」
「随分不確かな状態で連れてきましたね」
千種よりも前に帰ってきていた犬は「ハズレばっかでもう飽きた」と騒いでいた。
千種もこれ以上ハズレを引くのが嫌でこんな手に出たのかもしれない。
「解毒剤は？」
「一応打ってあります。ですが遅効性だから間に合うかどうか」
「それでは連れ帰ってきても意味がないじゃないですか」
間に合わなければこの施設にただ死体を運んできただけになる。
苦笑しながら嘆息を吐くと再び物音がして、今度は千種とふたりでそちらを見た。
「クフフ、君もこの子が気になるのですか？」
大きな本を抱えた子供が恐る恐るとこちらを見ていた。
彼自身には何も手は出していないというのに何に脅えているのか。
「A姉……？」
少年が震える声で誰かの名を呼んだ。
いや、誰かではない。
恐らくは床に転がっている彼女の名だ。
「知り合いですか？」
ハッとして勢いよく頭を左右に振ると、また物陰へと姿を隠してしまう。
その反応ではイエスと答えているようなものだ。
「クフフ……千種、思わぬ収穫でしたね。これは利用できそうだ」
「まあ、生命力次第ではありますけど」
あの少年と知り合いなのであれば“ボンゴレ”と知り合いである可能性は一般生徒よりかなり高い。
立ち上がって苦しそうにしている少女の元へ行く。
近付くと文字通り必死に息をしている音が聞こえた。
「いつまで悪夢を見ているつもりです。君には起きてもらわなければならない」
少女の前にしゃがみ、脂汗で顔周りに張り付いた髪をそっと耳にかけてやった。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
