１２話 ページ14
【沢田綱吉視点】
「笹川了平……やられたよ」
「……！」
朝登校してヒバリさんからその言葉を聞いた時は背筋が凍りついた。
それだけでも十分衝撃を与えられたのに「それから」と続けられた言葉はさらにオレを動揺させた。
「同一犯かどうか分からないけど、君が最近つるんでる女子も行方不明だってさ」
最近つるんでる女子。
京子ちゃん、ハル、Aがよく一緒にいる女子だが、最近となると一人に絞られる。
「Aが！？」
「さあ、そんな名前だったかな。僕は弱い生き物には興味ないから知らないけど」
冷たく言い放つヒバリさんに、京子ちゃんのお兄さんが搬送された病院を聞いてリボーンとすぐにかけつけた。
顔にも体にも包帯を巻いているお兄さん。
酸素マスクまで付けて、痛々しいという表現しか出てこなかった。
今までの事件と同じように歯も抜かれていた。
抜かれたという五本の歯はボクシングで折っていて元々差し歯だと言うが、笑っていいのか分からない。
お兄さんの目撃談では、相手は隣町の黒曜中の制服を着ていたらしい。
オレたちのあとから来た京子ちゃんは「生きてて良かった」と涙ぐんでいて、どうにもその場に居合わせづらくなって静かに病室を後にした。
病院の待合室は並中生でごった返していた。
日中から学生であふれる病院という異様さからそれほど深刻な事態なのだと改めて実感した。
風紀委員ばかりが狙われていたのに、お兄さんに続き剣道部の持田先輩も襲われたと聞いた。
明日は我が身かもしれないとクラスメイトと震え上がる。
そこを通りかかった風紀委員会。
風紀委員の話によれば無敵のヒバリさんが敵をやっつけに行ったらしい。
どんな敵か分からない。
相手はお兄さんすらも倒してしまうような強さ。
それでもあのヒバリさんだ。
倒してくれるに違いない。
Aを攫った相手が同一犯かどうか分からないとヒバリさんは言っていたけれど、この小さな町で複数の事件がたまたま重なり合うとは考えにくい。
大丈夫、明日になれば友達と笑いあっている日常が戻ってくる。
ヒバリさんが何もかも解決してくれる。
ヒバリさんの弱点を忘れていたオレはそんな楽観的思考に陥っていた。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
