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3話 ページ4

凛と別れて数時間。

辺りは茜色に染まり、夜の気配も混ざってきた。

私は今だにどうやって虎を探そうか迷っていた。

凛からの情報によると、二週間前辺りからここらに集中していて、
一番最近の目撃情報は、鶴見のあたりだと言う。

あまり深く考えても方法は浮かんでこない。

気分転換に散歩でもしてみるか。

ザッザッザッザッザッ

こうしてのんびり歩いていると、自分がマフィアだと忘れそうになる。

でも私が手を汚したという事実に変わりは無いし、染み付いた血の匂いは消えてはくれない。
好きでやっている訳ではないのに。

そんなことを考えながら歩いていると、すぐそこの土手に倒れた人影が。

慌てて駆け寄る。

『だっ、大丈夫か?おい!君?おい?』

?「ゔ、ゔうぅ。は、」

『は?』

?「腹が・・・」

グゥゥゥゥゥゥゥギュルギュゥゥゥゥ

少年が「腹が」と言った瞬間、地を這うような低い音が場に響いた。

それが少年の腹の虫だということに気付くまでに数秒の時間を要した。

『・・・腹が減っているのか?』

?「お恥ずかしながら・・・・・・」

『フム、少年。名は?』

敦「え、中島、敦です・・・」

『そうかい。』

フム、助けて上げたいのはやまやまなんだが・・・・
私に拾われても敦少年にとっていい結果にはならないだろうからな・・

『少年。』

敦「はい?」

『君はこれから川を流れてくる男を助け給え。
 きっと運命が変わるだろう。』

ここは___がよく飛び込む川だからな。
あいつは探偵社に入ったらしいし、私よりも適切な判断を下すだろう。

敦「ぁ、あの!」

!・・熟孝しすぎたか

敦「あの・・もし良ければ、名前を教えてくれませんか?」

名前・・か。本名を言うべきか、偽名を言うべきか。
まぁ、この少年には言ってもいいだろう。

『景だ。綿世景。』

敦「景、さん・・あの、運命が変わるだろうってどういうことですか?」

『その答えは自分で見つけ給え。』

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しお(プロフ) - とても面白かったです!文才ないって言ってたけれど、そんなことない!最高です! (2021年5月26日 22時) (レス) id: 1e137b7116 (このIDを非表示/違反報告)
咲太郎 - とても面白いですね (2021年5月12日 18時) (レス) id: a3f4336cb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:孔雀 | 作成日時:2021年5月8日 16時

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