もう1冊の友人帳 (ページ30)

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in祠

夏目「露神桃持ってきてやったぞ」

いつもならすぐ出て来たり、声を出すのだが何故か声が聞こえてこない

貴方「露神？」

露神「ここだ夏目殿水樹殿」

お供えされた水の横に立っていた

夏目「あれ？また小さくなったな」

貴方「ホント…」

露神「まぁな」

そう返事すると露神の体が光り始めた

貴方・夏目「「あ…！」」

夏目「光出したぞ！？どうしたんだ！？」

露神「あぁ花さんが逝ってしまったんだ」

貴方・夏目「「え…？」」

露神「花さんは長いこと患っていてな最近はここへ来るのもやっとだったんだ
花さんは私を信仰してくれた最期の人間
彼女が逝けば私も消えるのさ」

夏目「お、俺が…俺とAが信仰するよ！毎日は無理でも拝みに来るよ！」

貴方「露神…」

露神「ダメだよ夏目殿水樹殿君達は私の友人だ
これで良いんだ花さんと一緒に逝ける」

そっと指を露神に伸ばした
露神の小さな手がAと夏目の指に触れた

露神「ずっと…ずっと見ているばかりだった
これで人に…あの人に…やっと触れる事が出来るような気がするよ」

夏目「聞こえてたんだよ花さんは…アンタの声が…ッ露神…ッ」

貴方「露神…ッ」

露神「ありがとう夏目殿水樹殿昔も今も人間とは可愛い物だねぇ」

貴方・夏目「「！！」」

露神は最後にそう言うと消えて行った

貴方・夏目「「………」」

寂しそうにしながらギュッと手を繋いだ２人

貴方「露神花さんに会えたよね…」

夏目「あぁきっと…」