秘め事 二五。 ページ25
・
_____ガチャン。
マグカップを落としてしまった。これで今日は二個目だ。
一松に何故か噛みつかれ数日がたつにつれ、なんだか私自身の体力が無くなって来た気がする。
今みたいに、たまにフッと力が入らなくなるのだ。きゅ、と何かが縮んだみたいに。
どうしよう、なんだかんだで二回目。もう昨日と合わせて3つもマグカップを割ってしまった。
ひとつ溜め息を吐き、ぐちゃぐちゃになったマグカップの欠片を拾う。
『いっ…!!…つ〜…』
油断して、人指し指を切ってしまった。赤い真っ直ぐな線が指の腹に浮かぶ。あちゃー、縦に切っちゃったか。
…そんな時、
「……A……?」
『あ、一松』
たまたま通りかかったのであろう一松。
私と割れたマグカップを交互に見るとサッと血の気が引いた顔になる。いつも半目の目を珍しく見開き、私の肩をガッと掴んだ。
「どうしたの急に…!?割るような性格じゃないよね…!!?」
『ぁ……えと、』
珍しく必死なモンだから。
ぽろっ、と本音をこぼしてしまった。
『最近ね……力が入んなくて。時々フッと力が抜けちゃうの。
それで、割っちゃった。ごめんね、一松。壊しちゃって』
苦し紛れに笑ってみせる。それがアイツには隠し笑いに見えたらしく、酷く顔を歪ませると、私の後頭部に手を当て、私を抱き締めた。
『……い、ち……まつ…?』
「ごめん、………ごめんごめんごめんA…ッ…!!」
『え、何も一松は悪くないんだよ?私が…私が無理しただけだから。……ねっ?』
それでも一松はひたすらごめん、と謝り続ける。
もしかして、彼が私に噛みついた事と、何か関係があるのだろうか。
でも、私はそんなくらいで怒らないし、またすぐに戻るだろう。
きっと疲れも溜まってたからだ。
私はそう信じて疑わなかった。
でも、本当はそう言い聞かせていたのかもしれない。
その時だけは、
死神が命を奪う者でかる事を忘れていたかったから。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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革ベルト
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あずきいろ
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8
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X
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西 - この方角に福があるはずです
ラッキー松
偶数松
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まっP - 続き気になるー!!!!更新頑張ってください!応援してます! (2016年5月4日 13時) (レス) id: 336d10781c (このIDを非表示/違反報告)
マカロン* - 一松が死神.....なんかかっこいいで〜す♪ (2016年5月2日 1時) (レス) id: c5ef828239 (このIDを非表示/違反報告)
書店員。(プロフ) - ヒヨリさん» ありがとうございます…!もっともっとカッコよくさせます!(笑) (2016年4月30日 1時) (レス) id: d85110bd5a (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ(プロフ) - 面白いです!死神一松、カッコイイです…笑 (2016年4月28日 23時) (レス) id: 2817f0b1ba (このIDを非表示/違反報告)
書店員。(プロフ) - まろん@苗さん» 一松は2つポジションがあったので、どっちも好きだしもう一緒にしちゃえ!と思いまして(笑)同じ人がいて嬉しいです…!!('▽'*はい、更新がんばります!!私もこれ書いてて世界観とかが分かってきて更にどぼんしてしまってます(笑) (2016年4月12日 23時) (レス) id: d85110bd5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:書店員。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syotenin711/
作成日時:2016年4月7日 0時