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『もしもし!』
「………なにもなかった!?」
出来るだけ早くスマホを開いて電話をかける。あまりコール音は鳴らなかった。
少し声が大きくなってしまったけれど、それよりも大きい彼の声。……焦ってる様に聞こえるのは、今私が焦っているからだろうか。
『だ、大丈夫だよ。ごめんね。今日はキヨくんの家でご飯作ってたの』
「へー。俺ん家で?ねぇ、広い?綺麗?」
『んー?そうだねー、綺麗だよー。あっ、黒いソファーもある』
ぐるり、と部屋を見回しながらそう話す。横でキヨくんは過去の自分に向けてか、ドヤ顔で腕を組んでいた。
「え、何その今もそこに居るような言い方____あれ、まさか現在進行形で俺ん家に居るわけじゃ無いよね??ね?」
また焦りの含んだ声が聞こえる。
なんの気も無しに、そうだよ?と答えると大きな溜め息が聞こえた。
「もう終電過ぎてるし!どうすんの!?泊んの!?あーっ、もう安全に帰って安全に自分の家で寝てほしいのに……!」
今から帰るのも危ないべ!?
うーん、お母さんですか。苦笑してしまうと黙っていたキヨくんが口を開いた。
「大丈夫、今日は此処にAは泊まってくから」
「『へ?』」
届いていたのであろう。スマホ越しから同じ言葉が聞こえた。
呆然とキヨくんを見上げるとぐしゃぐしゃ頭を撫でられる。
そして向こうの幼いキヨくんも、ごにょごにょと何か呟いていたけれど結局納得してくれた。
「まぁ、今日は疲れただろうし、もう切るな。じゃ」
『うん、おやすみ』
真っ暗な画面を目を落とし、それからもう一度キヨくんと見上げる。
彼は笑うと私の手を引き、
「じゃ、俺らも寝ますか。布団準備するから着いてきて」
『あっ、うん』
また、笑った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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西 - この方角に福があるはずです
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波菜痢 - キヨさん可愛すぎですwありがとうございます!更新頑張って下さいね! (2017年8月9日 20時) (レス) id: 92e7b0d2b2 (このIDを非表示/違反報告)
C夜(プロフ) - つ、続きをっ!!続きがきになって眠れませ((ゲフンゲフン とても面白かったです! (2017年5月26日 0時) (レス) id: 0c5dd60cdb (このIDを非表示/違反報告)
書店員。(プロフ) - 山田さん» わわわ、ありがとうございます〜!ゆっくりで本当にすみません!更新頑張りますねっ!(`'∀'´)♭ (2016年12月11日 23時) (レス) id: 91728adf3a (このIDを非表示/違反報告)
書店員。(プロフ) - 未愛さん» 返信遅くなってすみませんー!!twitterの方でも、フォローありがとうございます…!相変わらずのゆっくり更新で申し訳無いです…;;最近はとても寒いので、未愛さんもお体にはお気をつけて下さいね。(´v`*) (2016年12月11日 23時) (レス) id: 91728adf3a (このIDを非表示/違反報告)
山田 - このお話とても好きです。 これからも頑張ってください。応援してます! (2016年11月4日 0時) (レス) id: 5d5cffa5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:書店員。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syotenin711/
作成日時:2016年7月19日 0時