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「何か道具が必要な場合は言ってください。できるものならこちらで用意いたします」
受付に行くと係りの背の高いお兄さんがそう説明してくれた。
近くにはピアノや跳び箱、トランポリン、縄跳びなどがあった。
……うーん、あれで行こうかな。
「じゃあ、あれ使わせてもらってもいいですか?」
「ああ、あれですか。構いませんよ。エントリーは済んでいるのでこちらに並んでお待ちください」
指示されたとおり、列の最後尾に並ぶ。
前には小学生の子たちがたくさんいたけれど、負ける気がしないな。
普段はロリショタの味方だが、今は僕もロリなんでね。本気で行かせてもらいますよ。
「つぼみ、ピンとか持ってる?持ってたら貸して」
つぼみからピンを借りて、ツインテールをお団子にする。
これなら邪魔にはならない。
数分待っているととうとう自分の番がやってきた。
名前を呼ばれたのでステージへと向かう。
観客を見渡すと皆が端の方で見ていたので口元を緩ませる。
目の前に用意されたのは、20年ぶりに見る懐かしいもの。
それは―――…
「君はこれで何を見せてくれるのかな?」
「トランポリンで技を披露しようと思ってます」
そう言って靴を脱ぎ、トランポリンに上る。
深呼吸してから、昔の懐かしい感覚を呼び戻そうと意識する。
そして、跳ぶ。
まずは高さ調整をするストレートジャンプ。
どんどん高さを上げて行く。
そろそろいいかな、と思ったところで抱え跳び。
成功すると、観客席から歓声が上がる。
続いて捻り跳び。これも成功した。
どうやら体は昔の感覚を覚えているようだ。
というか、この体になったから馴染んでいたのかもしれない。
調子に乗って、2回宙返り2の2分の1捻りなんていう難易度の高い技を繰り出してみせると観客席は大いに湧いた。
―――ああ、この感覚。懐かしいな。
逆方向に回って、地面に綺麗に着地すると数秒してから割れんばかりの拍手が聞こえてくる。
これなら優勝間違いなしだろう。
そう思うと達成感と高調感でいっぱいだった。
そして、残ったのは少しの悲壮感。
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なえ - めっちゃ面白いです!まだ書けるのなら、ゆっくりでも良いので更新お願いしますm(._.)m (2021年3月7日 3時) (レス) id: 7bd6f37d2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - え、これ終わりなんですか? (2020年4月4日 17時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
桃猫&黒猫 - Ibとクロエのレクエイムは分かりました(`・ω・´)キリッ (2017年12月1日 0時) (レス) id: 16628b168c (このIDを非表示/違反報告)
こはる@歌い手好き(プロフ) - ああ………いいところで終わってしまった…………続きめっちゃ楽しみなんですけどこれ続くんですか………? (2017年1月27日 18時) (レス) id: 595e2aacaf (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 110話のはやっぱりホラーゲームのだったんですね!ホラーゲームは面白いですよね!!更新楽しみにまってますね!!! (2017年1月5日 13時) (レス) id: 9a23c11e2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜音 | 作成日時:2014年5月4日 17時