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「Aちゃん、あーん」
「Aちゃん、おしるコーラ飲む?」
「Aのためのお洋服、作ってるのっ」
「何か食べたいものはないか?なんでも作るぞ」
「……」
「ふっ……っ…」
「…こーちゃん、笑いを隠せてないよ。笑うんだったら大声で笑ってよ、もうっ」
「ごめん、お姉ちゃん…いや、今日はAちゃん、っすね」
そう言ってこーちゃんは自分の膝の上に座っている(座らせている)僕の頭を優しく撫でた。
むうぅぅ……!!子供扱いぃ…
体が子供になったからって心まで子供になったわけじゃないのに皆して子供扱いしてっ!!
僕は子供じゃないんだよぉ…!!
「子供じゃないっすか」
「違うもん、心は大人だもん」
「でも見た目は子供っすよ?…いつもは俺たちが甘やかされているから、いつものお返しだと思って、これから三日間はお姉ちゃんが甘やかされて欲しいっす」
「……」
…そう言われたら何も言えないじゃないか。
仕方ないので、僕はソファーに寄りかかるみたいにこーちゃんに寄りかかる。
そして、上を見上げるとこーちゃんと目が合った。
変な感じ。
こーちゃんの顔がこんなに上にあるなんて。
しかも、いつもより大きく見えるし、お兄さんっぽく見える。しかも何だか安心できる。
……これが子供の目線なのかな。
とか思っていると、
「セトずるいっ。僕の膝にもおいで、Aちゃん」
お菓子を持ってきた修哉が向かいのソファーに座って、ぽんぽんと自分の膝を叩く。
何だよ、ちくしょう。かわいいな、あいつ。
そんな呼び方されたら行かなきゃいけないじゃんか。
「こーちゃん、ちょっと行ってくるね」
こーちゃんのお膝とおさらばし、修哉のお膝に座る。
すると、修哉は後ろからぎゅーっと抱きしめてきた。
あ、これ。昔、僕が修哉にやってたやつだ。
……僕がこの抱きしめて座るの好きだったからかな。修哉もおんなじことするみたい。
子供扱いされたみたいでちょっと恥ずかしいけど、不思議と嫌な感じはしない。
「はい、あーん」
チョコレートを差し出されて、それを食べる。
もぐもぐと食べていると視線を感じた。
上を見ると修哉がにこにこしながらこっちを見ていた。
何、何なの、何でそんな嬉しそうな笑顔で僕を見るの!?
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なえ - めっちゃ面白いです!まだ書けるのなら、ゆっくりでも良いので更新お願いしますm(._.)m (2021年3月7日 3時) (レス) id: 7bd6f37d2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - え、これ終わりなんですか? (2020年4月4日 17時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
桃猫&黒猫 - Ibとクロエのレクエイムは分かりました(`・ω・´)キリッ (2017年12月1日 0時) (レス) id: 16628b168c (このIDを非表示/違反報告)
こはる@歌い手好き(プロフ) - ああ………いいところで終わってしまった…………続きめっちゃ楽しみなんですけどこれ続くんですか………? (2017年1月27日 18時) (レス) id: 595e2aacaf (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 110話のはやっぱりホラーゲームのだったんですね!ホラーゲームは面白いですよね!!更新楽しみにまってますね!!! (2017年1月5日 13時) (レス) id: 9a23c11e2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜音 | 作成日時:2014年5月4日 17時