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「……」
引き金は引かれた。そのはずなのに僕の体はどこも痛くない。床も赤には染まっていない。
「は、なんだよ、これっ」
カチ、カチ、と引き金を引く音はするのだが、肝心の銃声が聞こえない。
「ねぇ、何なの。この後に及んで弾切れとかふざけてんのかよ、面白くも何ともねーよ。我、おこぞ?我、激おこぞ?殺虫剤まくぞ、こら」
「やめろっ!!人体には無害でも蛇には効くんだよ、殺虫剤。てか、どこから持ってきやがった、それ」
「知ってるよ、だからかけてるんだろうが。ハエたたきにすれば良かったか。丁度黒いしお似合いだよなぁ?」
にたり、と笑みを浮かべる。さっきの仕返しだ。
折角人がシリアスに付き合ってやったというのに弾切れとか絶対狙ってるだろ、お前。
クロハに一切の容赦はせず、殺虫剤をかけまくる。
はっはっは。この時代、殺虫剤を持った人間は人類最強なのだよ。
ちなみに、この殺虫剤は今日のラッキーアイテムさ((
「やめろって言ってんだろっ、ハエたたきはもっとやめろ!!」
「え、何?チェンソーで体を抉るように真っ二つにして欲しいって?」
「言ってねーよっ!!誰がそんなこと言ったんだよっ」
うわぁ、クロハいじるの超楽しい。いじって、いじりまくっていじり倒したい、地獄に落ちろ。
そう思いながら、笑顔でクロハの足を踏んでいると、突如がたんっという音が聞こえた。
音のする方を見てみると、何やらメガネをかけたおっさんがいた。
「よぉ、A。こんなところで会うとは奇遇だな。何してんだ」
いつも見る憎たらしい顔。こいつは――…
「あ、ケンホ○ウだ」
「何で!?何でポケ○ン!?違うだろ、俺の名前一文字違うからっ!!」
え、今の違ったの?あれ、おかしいな。こんな感じの名前じゃなかったっけ?
「えーと、あっ、わかった。ケ○シロウだ!!」
「どうしてそうなった!?俺、北○の拳じゃないからっ!!「お前はもう死んでいる」とか言わないからっ!!」
「え〜……じゃあ、ゴミ」
「酷っ、ようやく出番が回ってきたのに何その扱い。酷いだろうがっ」
「おじさん泣いちゃうよ?」とか言ってきたのでゴミを見るような目で見てやったら本当に泣いた。ざまぁ…
「そういや、研次郎の出番って何?クロハとホ○るの?」
「「やめろよ、気持ち悪いっ」」
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作者名:桜音 | 作成日時:2014年2月24日 21時