アンパン片手に横浜へ 其の弐！

お汁粉とアンパンの繋がり？ ページ7

その後、這う這うの体で甘味処に飛び込んだAと芥川。

「あの、大丈夫ですか・・・？」

「・・・大事ない。」

いや、明らか疲れてんだろという言葉を飲み込んでから何秒が過ぎたのか。会話の間の沈黙を誰よりも嫌うAが恐る恐る口を開いた。だれか褒めて、私を褒めて。

「すみませんでした・・・あの時は自分でも吃驚するぐらい腹がったって・・・つい、本気の逃走用の速度を出してしまいまして。」

「否、あの時の最適解はあれだったのだろうと考えるようにする。」

その言葉に本当に申し訳なくなり、思わず天を仰ぐ。こんな指名手配犯がいてたまるか。
此処で、作者も疑問に思っていたことの答え合わせをしよう。
この二人が乱闘騒ぎにならなかったのは勤務時間外だったからである。
「何か頼みますか？」と聞くと「汁粉」と帰ってきたので、女中を呼んでアンパンと一緒にと頼んだ。

「・・・ここは僕が支払おう。」

「え、いや私が払います！」

「貴様、歳は幾つだ。」

「・・・17ですけど。」

「なら尚更だ。」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿この人、そういうの気にする人だったのか。
そんなことを考えながら先に運ばれてきた緑茶をすすっていると、今度は芥川が小さく口を開いた。

「・・・如月に切られた傷は。」

「え？あ、すっかり大丈夫です。」

「そうか・・・ならば畳重。」

此処でまた会話が途切れる。駄目だ、このままでは埒が明かないとおもったAが、前から思っていた疑問を口にした。

「あの、そのコート暑くないんですか？」

「これは・・・恩師に貰ったもの、故。」

・・・・・・・・・どうやら私は地雷原でタップダンスをしているようだ。

「僕からも聞くが・・・その手帳は、いかんせん大きくはないか・・・」

「これは、師匠からの贈呈品で・・・宝物、というか・・・？」

・・・・・・・・・どうやら僕は地雷原でピクニックをしているようだ。

申し訳なさでAが机に突っ伏すのと、芥川が顔を両手で覆うのは同時だった。

仲良しこよしには程遠い・・・？→←禍狗とアンパンは友達となるか？

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す