無題52 ページ9
A「ふっ……よいせっ」
敵は一体だけではなかった。
何なんだ、この数は。
かつて20区を縄張りとしていた喰種集団、「猿面」。
それに仲が最悪に悪かった「ブラックドーベル」。
どちらも幾度と捜査官とぶつかり合っていたが、その2つが手を組むとは。
「あ、あはブヒュッ」
「し、死ぬ死ぬ死ぬギャッ」
「腕がァアァアアア!?」
下っ端もすごく強い。
隣りに居た捜査官の首もどこかへ吹っ飛んだ。
体だけがフラフラと揺れたあと、死体の上に倒れた。
よく見れば、地面は血と肉の塊だらけだった。
喰種のものか、人間のものか。
それさえももう区別はつかない。
ブチュ、と誰かの腕を踏んづけてしまった。
これは誰の腕なんだろう。
ジジッとトランシーバーが鳴った。
両腕で支えていたクインケを右手に持ち替え、左手でトランシーバーを取った。
A「はいはい」
『宇井、藍沢、鈴屋は梟のもとへ』
A「了解ですっと、うぉっと」
後ろから不意打ちは良くない。
このクインケは片手で扱うには少し重たい。
私はトランシーバーを捨て、両手でクインケを振り回した。
「プギャ」
「エ゛ァッ」
数体の首をふっ飛ばし、私は走った。
ここからだと少し距離がある。
コオリ、大丈夫かな。
◇◆◇
梟のいるポイントにつくと、バイクが燃えていた。
民間人のか、ご愁傷さまって思ったが、このバイクどこかで見た気がする。
煙の中からコオリが出てくる。
なんか顔が黒いし。
宇井「す、鈴屋くんが…」
A「え?…あぁ」
何となく状況は理解した。
きっとあの子がバイクに乗っていったんだろう。
そして、その後ろにコオリは乗っていたと。
そして思い出した。
丸手さんが、やっと新品が届いたぜ!どうだ、かっこいいだろ!とか言ってたバイクだ。
A「さて」
私は隻眼の梟さんと目を合わせた。
正確な目の場所はわからなかったけど、相手を私を見つめた。
A「お久しぶりです」
「…何のこと、だね?」
そう言いながら、赫子をふるってくる。
ああ、やっぱりのこの人は喰種なのか。
あんなにも優しい人も、喰種なのか。
そっちが殺しにかかるなら、私もやります。
私はクインケを構え直した。
気づけば、空から大量の雨が降り出していた。
120人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイリ - 更新お待ちしておりました! (2018年4月10日 8時) (レス) id: f779a5fce5 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - すごく宇井さんに会いたいっていう夢主と、夢主に会いたいっていう宇井さんの気持ちが切ないです・・・!続き、楽しみにしてます! (2018年1月5日 22時) (レス) id: 0c2606bdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - わわー!続編があります!!宇井さんかっこいい....宇井さんが出てくる度にドキドキします!更新頑張ってください!!ι(`v´)/ (2017年10月19日 22時) (レス) id: 242ab48235 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:狐面少女 | 作成日時:2017年10月13日 21時