【東京喰種】無題。第二部

無題７３ ページ30

宇井Side


宇井「ぐっ……」


「特等！どこかで一度休憩を」


上陸してから、私はすぐに森に入った。
海岸は他に任せ、SやSSを殺しくいく。

でも、流石にもう息が上がってきた。


「見張りはしっかりしますから」


宇井「ありがとう」


支給されていた栄養食品を取り出す。
触るとやっぱり粉々になっていた。

さっき赫子で脇腹を叩かれたときのせいだろう。

袋を開け、粉薬を飲むように口に入れた。


「はい、こちらS1…はい。…藍澤が、ですか？」


A？
この島にいるわけ？


「了解しました…はい、はい」


部下はそのままトランシーバーをしまった。


宇井「A…藍澤Aがどうかしたの」


「浜の方で目撃が…鈴屋特等からの報告だそうです」


宇井「そう」


Aはこの島にいるのか。
殺しに、行かなきゃいけないのか。

他の人に殺されるくらいなら、私が殺してあげなきゃ。
なんかヤンデレってやつみたい。


宇井「交代。私が見張りをする」


「ありがとうございます」


藍澤AはBレートの喰種とされた。
今まで捕食件数は0。
捜査官への被害も0。

それなのにCではないのは、赫子が佐々木と同じだったからだ。
佐々木は20年分の記憶がないと言っている。
だからなぜAが同じ赫子を持っているのかわからない。

兄弟はいないはずなのに。


「宇井特等、行けます」


宇井「わかった。もっと奥に進もう。建物があそこにある」


「了解です」


◆◇◆



「ゼェ……ゼェ…」


「おい！しっかり…」


宇井「…はあ」


子供ばかりだったが、見張り役がどうも強かった。
やっぱり、捜査官とはいえ疲れは貯まる。

応援で呼んだ捜査官も疲労の色が見える。


ここにAはいなかった。

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