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無題64 ページ21

ヘリが近づいて来るから、風も強くなる。

フードはとれ、髪も乱れてきた。
レディに優しくない。


ナキ「おい!どうすんだ!?」


下を見ると、まだアオギリが残っている。
でもこれ以上は待てない。


A「特等は私が止める。先に遺体を運んで」


承正「いいのか」


A「どうにかなるよ」


ヘリが隣のビルの屋上に止まった。
時間がない。


目の前にはクインケを持った捜査官が迫っている。


私は以前、拷問のように訓練を受けたことを思い出した。
赫子の出し方なんてわからないから、痛みを受けるしかなかった。


宇井「!!」


私はさらにフードを深く被った。
そして、腰から熱い物が生える。

コオリ、あまり見ないで欲しい。

ああ、でも目を見られてるからバレてるか。
これじゃ、自分の墓参りも当分行けないな。

とりあえず、クインケを壊そう。
クインケが無ければ何もできないのは知ってる。

あ、タルヒだ。

まだ使っててくれたんだね。
壊したくないなぁ。


宇井「A?」


A「!」


コオリは私を前にして、タルヒを構えるのをやめた。
有ろう事か、地面に置いてしまった。

赫子を出した喰種を前に、なんの装備もなしなんて。
これ、私じゃなかったら即死なのに。


宇井「それ、しまいなよ。物騒だなぁ」


私の赫子はコオリの言葉に反応し、少し縮こまった。
4本全てを出しているが、どれも小さくなっていく。
無意識、なのかもしれない。


宇井「A、おいで?」


コオリは両手を広げて構えた。
いや、意味がわからない。

喰種なのに、私。
そのまま殺しなよ。

そうすれば、コオリのこと嫌いになれるかもしれないのに。
なんで、喰種相手にそんな事するの。


A「やめてよ」


宇井「お、やっと話してくれた」


A「なんでそんな事するの」


宇井「2年前、できなかった事をしよう。Aが消えてから、Aの存在の大きさがよく分かったから」


A「でも、私は…」


宇井「知ってる。でも、私はAが好き」


A「法律違反じゃない?」


宇井「捜査官じゃん」


A「そっか」


私はコオリの胸に飛び込んだ。
それと同時に力強く抱きしめられる。


宇井「やっとだ…」


A「うん」


宇井「ながかった、なぁ」


コオリの顔を見えないけど、どんどん声が震えていくのがわかった。


A「ごめんね、コオリ」


今まで小さくしていた赫子を再び伸ばした。

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アイリ - 更新お待ちしておりました! (2018年4月10日 8時) (レス) id: f779a5fce5 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - すごく宇井さんに会いたいっていう夢主と、夢主に会いたいっていう宇井さんの気持ちが切ないです・・・!続き、楽しみにしてます! (2018年1月5日 22時) (レス) id: 0c2606bdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - わわー!続編があります!!宇井さんかっこいい....宇井さんが出てくる度にドキドキします!更新頑張ってください!!ι(`v´)/ (2017年10月19日 22時) (レス) id: 242ab48235 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐面少女 | 作成日時:2017年10月13日 21時

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