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無題57 ページ14

また、私は墓へ向かう。


ペースは減ったが、2ヶ月に1回は通ってる。
今日はあの日から1年。

Aや他の捜査官たちの命日だ。


私は誰もいない早朝についた。
日はまだ登ったばかり。

塗装されていない坂道を登っていくと、墓はある。


見えた。


宇井「久しぶり」


こんな頻度で通うのは私だけだろう。
他の墓は苔や砂埃で汚いが、Aの墓だけは磨かれている。

いつも通り、少しだけ掃除をして、話しかける。


宇井「もう1年か。早いもんだね。そっちはどうかな」


もちろん返事はない。
それでも私は語りかけた。


宇井「元気?いろんな人と仲良くできてる?…なんなら幽霊にでもなって会いに来てもいいのに。
私、S1班の班長になったよ。もー仕事も山積み」


1人でハハハと苦笑いしていると、後ろから草を踏む音が聞こえてきた。
こんな朝早くから私以外に来る人がいたとは。

私はゆっくりと黙祷をした。


目を開け、再び墓を見つめる。
骨も入っていない墓。

こんな形だけのものに話しかける私は頭がどうかしている。
そう思いながらもきっと1ヶ月後には来るだろう。


しかし、すぐ後ろから足音が聞こえたはずなのに、横を通った音がしない。

すぐ横の通路を通らなければ、前の段の墓にはいけない。
だからといって、横にもいない。


まさか、Aの墓に?

ゆっくりと後ろを振り向く。



宇井「えっと…すいません」


ただ黙って立つ女性がそこにいた。
短く髪を切りそろえて、手にはきれいな花束。

顔はよく見えないが、口を少し開けている。


宇井「Aの知り合い…?」


「……」


宇井「捜査官…ではないよね」


「…ぃぇ」


小さく声を出したあと、Aの墓に花束をおいた。

ただ、それだけ。
すぐに彼女は坂を走っていった。

知り合いならば黙祷の一つもせず帰らないだろう。
じゃあ、一体誰だったんだ。


ふと時間を気にすると、もうここをでる予定時間を過ぎていた。

このままじゃ遅刻だ。


私も急いで車に戻った。

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アイリ - 更新お待ちしておりました! (2018年4月10日 8時) (レス) id: f779a5fce5 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - すごく宇井さんに会いたいっていう夢主と、夢主に会いたいっていう宇井さんの気持ちが切ないです・・・!続き、楽しみにしてます! (2018年1月5日 22時) (レス) id: 0c2606bdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - わわー!続編があります!!宇井さんかっこいい....宇井さんが出てくる度にドキドキします!更新頑張ってください!!ι(`v´)/ (2017年10月19日 22時) (レス) id: 242ab48235 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐面少女 | 作成日時:2017年10月13日 21時

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