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無題55 ページ12

このクインケでは防げない。

ならば、避ければいい。



宇井「っ!!!」


大丈夫、一個一個見極めれば。

幾度も体の向きを変え、折り曲げ。
流石にかすり傷はいくつもできるが、致命傷ではない。


宇井「あ…」


コオリは少し声を洩らした。
その瞬間、ふっ飛ばされた。


A「こお……」


さく、さくん。


きれいな音を立てて、私の体を赫子が貫通していく。

すこし喰種の体を羨ましく思う。
こんなにも脆くないだろう。
もっと、優しくしておくれよ、なんて。


気づけば私はコンクリートの床に寝ていた。
起き上がる力は無論ない。

痛さも感じない。
ただ、寒いなって思う。
ああ、そうか。

これが死か。

ふと、暖かい手が私の手を握った。


A「あったか……」


宇井「A……A!!」


手だけが暖かく感じる。
この声は、コオリ。

冷たい雨とは別に、暖かい雨も混じりはじめたのがわかった。

眠そうになっていた目を開ける。


A「……コオリちゃん」


なんて、呼んでみたり。


宇井「死なせない、絶対に」


ゴシッと顔を拭うコオリ。
そうか、泣いていたんだ。

気づかなくてごめんね。


宇井「待ってて」


そう言って彼は私の手を強く握った。


暖かい。

そのぬくもりはすぐに消えてしまった。


A「行かないで…」


その声は届かなかった。


「ケケケケケケケケ」


その変わり、不気味な笑い声だけが近づいてくる。



A「……何よ」


「バイナラ」


ぺいっ。


宇井「……A?」


私は空を飛んだ。
翼もないのにね。


ううん、ただふっ飛ばされただけ。


この高さから堕ちれば確実に死ぬ。


ねえ、助けてよ。


ふとさっきまでいた屋上を見上げると、コオリの姿は随分と小さく見えた。


赫子が体を貫通してから5分。


そのへんのヒロインみたいに、コオリに愛の言葉を言いた

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アイリ - 更新お待ちしておりました! (2018年4月10日 8時) (レス) id: f779a5fce5 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - すごく宇井さんに会いたいっていう夢主と、夢主に会いたいっていう宇井さんの気持ちが切ないです・・・!続き、楽しみにしてます! (2018年1月5日 22時) (レス) id: 0c2606bdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - わわー!続編があります!!宇井さんかっこいい....宇井さんが出てくる度にドキドキします!更新頑張ってください!!ι(`v´)/ (2017年10月19日 22時) (レス) id: 242ab48235 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐面少女 | 作成日時:2017年10月13日 21時

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