翠くんに拾われた男の子の話。 (ページ2)

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「...お兄さん誰？」

そう少し警戒しながら質問すると「ヒッ...」とビクビクされた

えぇ...？

「えっと、べ、別に怪しい人じゃなくて、こんな時間にここで何してるのかなーって思っただけで...」

「あー、なるほど。お兄さんは？」

「あ、えと、俺は学校帰りで...」

「ふーん...」

こんな夜まで学校？何してたんだろ

「お兄さんはおれを心配して声掛けてくれたんですか？」

「え、うん、まあそうかな...」

心配してくれたんだ、見ず知らずのやつに

この人めっちゃ優しいな

「心配してくれて悪いんですけど、おれは大丈夫だから早く帰った方がですよ」

「君は...？」

「うーん、野宿ですね」

「え、野宿...？家に帰んないの？」

「帰らないです、帰りたくもないし

じゃあお兄さんさよならー」

そうお兄さんにいい、ベンチに寝転ぶ

「の、野宿はやめた方がいいんじゃない...？せめて友達とかの家に泊めてもらうとか...」

「...友達いないんですけど」

「あっ、ごめん...」

そうお兄さんが謝り静かになった

え、なんでこの人帰らないの...？

まあいいや、そのうち帰るでしょ

「あっ、あのさ！」

そう再びお兄さんが声を掛けてきた

「はぁ、なんですかー？」

「俺の家来る...？」

「え？

...見ず知らずのやつを家に招待するなんて変わってますね」

「で、でもそうしなかったら君このまま野宿なんでしょ...？それでなにかあったら申し訳なくなるというか...」

「いや、でも外も案外居心地いいんで。空も綺麗だし楽しいので大丈夫です」

そう適当なことを言う

さすがにおれも知らない人の家に泊めてもらうのは気が引けるというか、申し訳なるというか...

「でっ、でも...」

「だから大丈夫ですって！」

そう大声で言うとお兄さんはビクッとなった

「そ、そうだよね...俺みたいなやつなんかに声かけられても迷惑なだけだよね...」

下を向きながらそうなにかブツブツ言うお兄さん

「あ...すみません、言いすぎました...でもほんとに大丈夫なので早く帰ってください、気にかけてくれてありがとうございました」

そうおれが言うと、タイミングよくおれのお腹が鳴った

「...お腹空いてるの...？」

「...まあ、そうですね」

「泊まっていけとは言わないけど、ご飯くらい出させてよ」

そう少しニコッとしながらお兄さんが言った

くっ、イケメンのスマイルの破壊力...

「...じゃあ、お邪魔させてもらいます...」