怒ってないとは ページ24
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ふわりふわりと、意識が浮上し始める
―――嗚呼、倒れたんだっけ
と、脳も働き始めて、一番初めに私の思考を持っていったのは中原君
離れてやろうと思って、懇切丁寧にお礼状迄書いたのに、其れを巫山戯てるだ何だって、態々探しに来て迄文句を云いよってからに
別れの挨拶くらい寛大な心で受け止めてくれよ、小さい男だなあ
お陰で離れそびれたじゃないか
如何してくれるんだ、私の一大決心を―――
「おい」
なんだよ、煩いなあ、私は未だ眠いんだ
「全部声に出てンだよ、起きろ阿呆」
『いででででっ、いいい痛い！痛い！』
ここで一気に意識が覚醒
当たり前である、頬を思い切りつねられた
そんな雑い起こし方をするのは云わずもがな、中原中也、今の今迄私の意識の中心に居た人だ
―――…ん？
『声に、出てた…？』
「あァ」
『全部？』
「全部だ」
血の気が引くのを感じつつある私に、「あと之」と中原君が指差したのは
『……いつから君の手は私の枕になったの？』
「知るかよ手前だろうがよ！」
『矢っ張り？いやあ、無意識って怖いねえ』
妙に寝心地善いなあなんて夢の中で思ってたら、新調した枕じゃなくて中原君の手の平だったんだね
はははー、と、誤魔化して笑ってみるも、どうやら又怒らせてしまったようで
「……」
黙り込んじゃったよ
―――困ったなあ
彼の無言は結構苦手なんだ、如何したら佳いか判らなくなる
『……えっと…何に、怒ってるか云ってくれたら、ちゃんと謝るよ、だから＿＿＿＿ 』
「別に、怒ってねぇよ」
…怒ってないってなんだっけ？こんな感じの重い空気を纏ってる人って、怒ってる部類に入らないっけ？
否、入る、十中八九怒ってる
となると私がすべき事は―――
姿勢を正して、ついでに正座もして
『――わ、私は、如何すればよいのでしょうか…』
そろりと、問うて、ちらりと、寝台横に腰掛けてる其の人の様子を伺う
すると、そんな私を一瞥して立ち上がった中原君は
「如何もしなくていい、その儘一ミリも動くな」
と、なんとも不可思議な指示を出して、そして―――
『………へ？』
無言で一歩分の距離を詰めると、ふわり、私を腕の中におさめた
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ゆず丸(プロフ) - とっても素晴らしい作品をありがとうございます！1人、ベットの上で萌えまくっていました笑笑 お餅さんの作る作品、全て大好きで、今作品も最高でした！！本当にありがとうございました！そしてお疲れ様でした！これからも頑張って下さい！ずっと応援してます！！ (2018年6月26日 2時) (
レス) id: 906750285f (このIDを非表示/違反報告)
綿棒05号(プロフ) - 電車で最終話読むんじゃなかった…。きゅんきゅんし過ぎて只今著しく鼻息が荒くなっております()本当に本当に最初から最後までときめかされっぱなしのナンバーワン作品でした！完結お疲れ様です。とても寂しいです。でも新作も素晴らしすぎて余韻に浸る暇がありません← (2018年5月1日 18時) (レス) id: 0b85792b72 (このIDを非表示/違反報告)
もかもる(プロフ) - 完結おめでとうございます！おめでとうございます！！そしてお疲れ様でした！お餅さんの作品は毎日更新を楽しみにしているだけあって、完結がとても寂しいです...。今回も大変楽しませて頂きました。中原君最高にかっこよかったです！！次回作も応援しています！！ (2018年5月1日 18時) (レス) id: a85601bc33 (このIDを非表示/違反報告)
お餅(プロフ) - えむちゃんさん» 残念がら天才ではないのですが、楽しんでもらえてなによりです＾＾誕生日編、間に合ってよかった……（ギリギリでした）素敵なご感想、ありがとうございますね＾＾更新、頑張ります！ (2018年5月1日 13時) (レス) id: ec2cf99dc6 (このIDを非表示/違反報告)
お餅(プロフ) - 雪月花さん» 私には勿体なきお言葉……。でもとても嬉しいです＾＾応援、並びに素敵なご感想、ありがとうございます！更新、頑張りますね＾＾ (2018年5月1日 13時) (レス) id: ec2cf99dc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お餅
| 作成日時：2018年4月23日 0時
