【マギ】練家の末娘３

第８２話 ページ22

私のジンがガープと言う

偽りの名を名乗っていた理由

それはこの世界と為だと言った

『我の存在を知る者は我の名を聞いただけでAに危害を加えるような輩だからな。それを阻止するためにガープの名を借りた』

貴「じゃあ…貴方の本当の名前は？」

私の質問に少し考えるようにしてから

『我が名はアスモデウス。略奪と惨殺の精霊だ』

と答えた

貴「アスモデウス…？」

その名前は確か

トラン語の書物に書かれていた

『あちらの世界では随分好きに生きたからな。アル・サーメンの奴らとも繋がりはあった…ルフも黒いままこの世界に来たから、我は黒い器を持つ者を主にしようと決めていたのだが…』

私が書物の内容を思い出そうと

しているとアスモデウスは淡々と話し始めた

『白い器の主に惹かれた。あちらの世界とは違う生き方をしてみたいと思えた。我のせいで主が黒に染まろうともな』

最後の言葉はアラジンに向けて言った

アラ「それが君の本心なのかい？」

アスモデウスはその言葉に頷かずに

にやりと口元を歪めた

『我は主のジンだ。我が主以外の事はどうでもいい。我が主が望むものを与えるだけだ。その結果この世界も滅びる事になってもな…』

歪めた口元を戻すこと無く

私にむかって話すアスモデウスの目は

酷く優しくて私の事を本気で信じている

そう感じた

貴「私は私のしたいように生きています。今までもこれからも…その為にも貴方が必要なの。アスモデウス」

差し伸べた手にキスをして

金属器の中に戻ってしまった

『主の為なら魂をも捧げよう』

アスモデウスの声が脳に直接響いた

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