【шτ】君は全部、忘れてる【赤】 (ページ22)

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11/28(日) ページ22

微かに目覚まし時計の音が聞こえて、目が覚めた。

体を起こしてから、今日は休みだということを思い出す。

そして、何のためにわざわざ目覚まし時計をかけたのかも思い出した。

ぶるっくの誕生日プレゼントを買いに行かなくちゃ。

きっともう、忘れる心配はないのだから。

ずっと続く、いつものルーティーン。

別に、講義の始まる時刻に追われてる訳でもないから、もっとゆっくりしたって良いのだけど、体は勝手に動いてしまう。そういうものなのだ。

「いってきまーす」

いつもよりは遅い出発時刻。

慣れた道を歩き、目指すはショッピングモール。

赤信号を待っている間、周りを見渡す。お年寄りから子ども連れまで、たくさんの人がいた。

空を見上げると、晴天。
昨日までみたいに、白くは見えなかった。

目に何か異常があるのかと思っていたら、そういう訳ではなかったらしい。

安心した、その時だった。

「危ない！！」

その声に前を向く。こちらに走ってくる大きなトラック。

その瞬間、私は色んなことを思ったけれど、一番強く思ったことは、

家族への気持ちでも、

友人への気持ちでも、

ぶるっくへの気持ちでもなくて。

木曜日、記憶の戻ったぶるっくとデートしたとき、入ったカフェと同じ感覚―――

既視感だった。