男装生活とその日常について３ (ページ21)

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「それより『愛してる』ってなんだよ」

わかりやすく不貞腐れた顔をしたジョンハニヒョンが、酒瓶の王冠をAヒョンに投げつけた。

「いてっ」と、当たったのはソクミニヒョンだったけど、Aヒョンがハニヒョンに向けて顔をしかめる。

＿「蒸し返されると恥ずかしいからやめてほしい」

DN「ボノニヒョンがペンサの時に言っちゃったらしいですね。僕はあの時聞こえなかったなぁ……」

DK「スングァニが『僕とAヒョン二人だけの秘密にするつもりだったのに！』って怒ってたよ」

＿「人に聞かせるような話じゃないでしょ」

SC「いや、ステージ上の話は人に聞かせるためのものだけどな」

JS「A、終わってからも結構恥ずかしがってたよね」

DN「本当？いつもと変わらないねって話してたのに」

あの後、メンバーのほぼ全員が生暖かい眼差しを二人に向けたせいだろうか。

ほんの一時だけ、スングァニヒョンはAヒョンへどう接すればいいか解らないみたいだった。

結局、いつもと態度が全く変わらないAヒョンのおかげで元通りになったけど、ヒョンはヒョンで大変だったらしい。

僕達の前じゃ顔色一つ変えなかったのに……

まあそりゃあ、言われた側の心境だって複雑だよなぁ。

JH「オレにも言ってみろよ～」

＿「安売りはしてないので」

DN「ジスヒョンは言われた事ありそうですよね。スンチョリヒョンは……」

DK「ヒョンは無さそう！」

SC「おいおい」

JS「あるの？」

SC「いや、無いけど……」

JH「スンチョルはいいから、オレにも言えって！」

語尾を小さくするスンチョリヒョンを無視して、ハニヒョンが急かす。

ヒョン、普段はAヒョンの事をなかなかうるさそうにあしらうのにな。

案外、構われたがりだったのかもしれない。

そんな事を考えているとAヒョンが眉を上げて、鼻で笑う。

＿「異性に軽々しくそういう事言っちゃダメって言われてるんだよね」

Aヒョンがハニヒョンを女だと揶揄ったその瞬間、僕の目の前をクッションが横切っていった。

はあ、どうしてこの二人はすぐに戦闘を始めてしまうのか。

リビングにはハニヒョンの怒った声と、Aヒョンとソクミニヒョンの笑い声が響く。

まるで父兄参観のように見守る95のヒョンが二人。

よし、もういいだろう。

そう部屋に戻ろうと決意したところで、Aヒョンが投げ返したクッションが僕の頭にぶつかった。

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