山田家長女と入間家長女の日常 5

194日目 ページ43

一椛「…………いち兄。あたし頑張ったよね」

一郎「え、お、おぉ。頑張ったな」

一椛「うんうん、あたしもそう思う。そう思うからもっとたくさん褒めて欲しいなぁ」




そう言って一椛は一郎の首に自分の腕を回し抱きつく。身長差のせいで少し一郎が屈む形となりもちろん一郎からは一椛の頭しか見えない。


一椛は一郎に抱きつくも顔は二郎と三郎の方を見ている。つまり今一椛がどんな顔しているかは二郎と三郎しか分からないわけで。






二郎「兄ちゃん今すぐ離れて！！！！」

三郎「そうですいち兄！！一椛姉のそんな悪そうな顔久々に見ました！！！騙されないでください！！！！」

二郎「てめぇ！！ここぞとばかりに！！！！」




指を指して喚く2人に一椛はべーっと舌を出し圧倒的悪役顔で「日頃の行いを見直せば？」と2人を鼻で笑った。


そして今度はさっきと真逆の顔で一椛は一郎と目を合わしぎゅーっと抱きしめる。一郎はこの3人の争いを一応理解してはいるが一椛の甘えに負け抱きしめ返した。




二郎.三郎「｢あ"あ"あ"あ"あ"！！！｣」

一郎「悪ぃ……今日だけだから、な！」

一椛「ばーかばーか」








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一椛「と、いう感じでした。」

綾瀬「なにその地獄絵図。見たかった」




次の日の学校。昼休みに昨日の出来事が相当楽しかったのか一椛は綾瀬に全部話した。それはもう嬉しそうに。


まぁ、綾瀬からしてみれば「なんだよ。点数よかったのかよ。私のあの思い返して」という感じである。言葉にはしていないが。


「よかったねー」と適当に綾瀬が返すもその適当さに気づかず一椛は「入間は？テスト見せた？」と爆弾を投げてきた。





綾瀬「………………テスト？」

一椛「え、なにその、そんなのあったっけ的な。今めっちゃ話してたじゃん」

綾瀬「テスト……ねぇ…………多分今頃理鶯さん火起こしに使ってるよ」

一椛「え、理鶯さんのところ行ってきたの？！？！あの後？！結局行ったの？！？！」




昨日、銃兎は残業のため帰ってきたのは日付が変わった頃。もちろんそれを綾瀬に遅くなる、と連絡した。そしてその連絡を受け取ったのは横浜駅に着いた頃。


その瞬間思い立ったのだ。「よし、理鶯さんのところ行こう」と。バスを乗り継ぎ森に入り理鶯さんの元へ行った綾瀬。


「これ、よかったら火起こしに使って」と珍しく笑顔でそれを渡したらしい。

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