山田家長女と入間家長女の日常 5

174日目 ページ23

綾瀬side




今日も今日とて山田と放課後に遊んだ。今日はシンジュクでカラオケ。山田と解散しヨコハマに着く頃には19時半で。


そういえば冷蔵庫何も無かったなぁって思い出して駅のすぐ近くにあるスーパーで買い物をした。


運良くセールをしてたから沢山買っちゃってもう腕ちぎれるわ死ぬ。


スーパーから再び駅前に戻ってさぁ帰ろう。そう意気込んだのは19時45分。そして黄色いパーカーの見知った男の子を見たのも19時45分。







綾瀬「あれ？さぶろーたこんな時間に何してんの？」

三郎「綾瀬……」







イケブクロにお住いの山田三郎、またの名をさぶろーた。何故彼がこんな時間にここにいるのか。さぶろーたは私の名前を呟くだけで何も話さない。






綾瀬「さぶろーた？話聞いてた？門限とっくに過ぎてるんじゃないの？一郎さんに怒られない？」






ぼーっとしているさぶろーたにもう一度そう聞くとさぶろーたは少し悲しそうな顔をしてから気まづそうに顔を私から逸らした。






三郎「なにしてんのって別に、何もしてないし。それに、電話さえかかってこないんだ。心配すらされてないに決まってる」






なんかめっちゃ山田みたいなこと言うじゃん。流石姉弟。訳ありっぽいけど話を聞くのもめんどくさいし、てか荷物重いしなぁ。


てかこの言い方絶対あれでしょ？家出してきた的なやつでしょ？？さぶろーたをヨコハマに1人でいさせるのもなぁ……


"Buster Bros の山田三郎 " がヨコハマにいたら絶対ラップバトルとか仕掛けてこられそうだし何よりこんな時間だし余計に危ない。


考えるのもめんどくさくなってきたから私の頭から考えられる選択肢はたったのひとつ。






綾瀬「あー……家に来る？」

三郎「…………は？」

綾瀬「行くとこないならそれでいいじゃん。ほら袋、片方持って」

三郎「いやいやいや！！！なんでそうなるんだよ！！！」

綾瀬「早くしないと置いてくよ」

三郎「いや、だから僕は……！！あ"ーも"ー！！分かったよ！！ついて行けばいいんだろ！！！」






両手にあった重さから片手だけ解放された私は足を家に向けて進める。文句を言いながらもついてくるさぶろーたの顔はどこかさっきよりも元気なった気がする。


最初は後ろを歩いてたけどさぶろーは横に来て「ん、」と空いてる方の手を私に差し出した。





綾瀬「…………手を繋ぎたいの？」

三郎「そんなわけないだろうが！！馬鹿だろお前！荷物持つって言ってんだよ」

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