山田家長女と入間家長女の日常 5

祝日3日目 ページ5

綾瀬side







悩みに悩んで選んだのが今お兄ちゃんがつけてる時計で。







綾瀬「これください」


「えっと…………？」


左馬刻「プレゼント用にしてやってくれ」


「あ、碧棺様……！！かしこまりました。少々お待ちください」








ラッピング用の袋を取り出している間に財布開けてお金出すんだけど、財布の中5000円しか入ってなくてさ。


自信満々に出すわけよ。11歳の私からしたら5000円なんて大金だし。しかも時計の値段も50万とかするやつでさ。まさかそんな高いなんて思わないじゃん。









「えっと、お会計…………」

綾瀬「お願いします。」









まぁ、定員さん困ってたよね。ちらって左馬刻くんの方見て何か察したのかそのままお会計してくれてさ。



ありがとうございました、って時計も貰って。









二郎「え、じゃあ払えなかった分の金は？」

綾瀬「多分左馬刻くんが出してくれたんじゃないかなぁ」








車に戻ったあと、「忘れもんしたからちょっと待っとけ」って言われたからその時に払いに行ってくれたんだと思う。



けどまぁ、何も知らない私はらしくもなくソワソワしててさ。そのまま真っ直ぐ左馬刻くんの家に戻ってお兄ちゃんの帰りを待ったの。



幸運なことにお兄ちゃんもその日は日を超える前に帰ってきてくれて。








綾瀬「お兄ちゃん、」


銃兎「どうした？」


綾瀬「あのね、えっと……これ、誕生日おめでとう」

銃兎「………………は？」








笑うくらい固まってたよね。そりゃ固まるよね。妹の手からブランド物の超高い時計出てくるんだから。プレゼントと私を交互に見て口開けてさ。








綾瀬「お小遣い貯めて買ったの」


銃兎「お小遣いって……」


綾瀬「うん、9歳から貯めてたやつ全部使った」


銃兎「綾瀬………っ……………ありがとう」







涙流したながらめっちゃ強く抱き締められたよ。初めて並に見たよあんな泣いてたお兄ちゃん。









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綾瀬「泣いて喜ぶお兄ちゃんをめっちゃ頭よしよししたわ」


二郎「うさポリ公も泣くんだな」


一椛「そりゃ大事な妹が2年間貯めたお金でプレゼントくれたら泣くでしょ」


二郎「じゃあ俺も泣いてやるからお前の小遣い全部使ってプレゼントくれ」


一椛「ぶっ飛ばそうか？」

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