まふまふさんはフォロワーさん。

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扉の方を見ると、一人の女の人が入って来ていた。


…こういう人が、世間一般で言う美人さんなんだろうなぁ。



｢After the Rainのお二人ですか？｣


｢あ、After the Rainのそらるです｣


｢まふまふです！｣



やっぱりそうでしたか、と言ってその人は笑った。



｢だから風歌の顔が赤いのね｣



納得ーと言って一人で頷いている。

…ん？どういうこと？



『ちょ…美奈さん！』



焦った表情で、間宮先生が美奈さん？を見つめる。



｢あれ、自分ばかり色紙をあげて貰ってないの？
絶対にお願いするって言ってたよね？｣


『だ、だから美奈さん…！！』




何のことだろう…？と思っていると、

美奈さんの口から、衝撃的な言葉が聞こえた。







｢“あの二人のサインが欲しい”んじゃなかったの？｣







｢…え｣





リスナーさん？なんでしょ？と美奈さんが聞いた。



ま、間宮先生が…僕達のリスナーさん……？

まさか、ね…？


ばっ、と間宮先生の方を見ると、膝を抱え込んで蹲っていた。


そして、顔を上げて美奈さんのことを睨みながら言った。



『な、なんで言っちゃうんですか！？
ていうか、なんで知ってるんですか！！？』


｢え、逆に隠してたの？｣



あんなにバレバレだったのに？と首を傾げて美奈さんが聞く。



｢だって…風歌がアニメの歌のリクエストしたことなかったし、｣

｢この前歌い手さんの話を楽しそうに話してたし、｣

｢今日だっていつもは適当に髪くくってTシャツにショーパンなのに、おしゃれしてるし…｣


『もういいです、やめてください…』



また顔を埋める。

髪の毛の間から見える耳は、わかりやすく真っ赤だった。



｢…な、なんで隠してたんですか…？｣



別に、隠す意味はなかったんじゃあ…


だって！とまた間宮先生が顔を上げる。



『歌い手さん知らないって振りをしていたのに、実は大ファンでライブとかほぼ全部参戦してるとか…
恥ずかしくて言えないじゃないですか！』


｢…言っちゃってますけど｣



そらるさんが、大胆にもそこに触れる。

はっとした表情をして、間宮先生は僕達を睨んだ。



『…忘れてください』



顔が真っ赤だし、上目遣いで涙目だし、全然怖くないです…






｢…ふふっ｣







なんだか、皆が知らない間宮先生の秘密を知れたみたいで、すごく嬉しかった。









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