僕はまふまふじゃない (ページ14)

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十四話ページ14

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Aちゃんの美味しい夜ご飯を食べてから、一緒にYouTebeを見る。

適当に弾き語りを流すと、目を輝かせた。

『凄いですね…世界中の動画が見れるなんて』

「これね、実は投稿者はお金が貰えるんだ」

『え、そうなんですか？』

お金が貰える原理を説明すると、『なるほど…』と感嘆の声を漏らした。

「Aちゃん、これをやってみたら？」

『私が？』

「副業くらいの気持ちで。あ、顔出しは駄目だよ？
親御さんにバレちゃうから」

『…そうですね。やってみたいです！』

親御さん、という所で少し顔を顰めたけど、すぐににこりと笑った。

良かった。バンドメンバーを募集している知り合いなんていないし、これ以外は思い付かなかったから…

バンドを抜けたせいで、音楽が嫌いになったら嫌だったしね。

「あ、Aちゃんの歌、もう一回聴きたいな。
一番得意な曲、歌ってみて」

『えっ、ここで？』

「あそこ防音室だし、マイクもあるから」

『す、凄い…流石、音楽関係の人…』

はい、とマイクを渡し、こっそり録音ボタンを押す。

まぁ一応。後で聞き返してアドバイスとか出来たらしたいし…

おずおずとマイクを受け取り、曲を選ぶ。

…え、その曲？キー結構、いやかなり高めだけど…

Aちゃんが選んだのは、俺も好きな曲。
ただ、大抵の人が少しキーを下げてから歌う曲だった。

全くキーを下げる素振りを見せない。
…歌えるの？これ。

目を瞑って、深呼吸をしたAちゃんが、すぅ、と息を吸って歌い出した。

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