阿鼻地獄の女主任【鬼灯の冷徹】 (ページ23)

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21番地獄ページ23

「…もてあそぶ。

うーん、もてあそぶかぁ」

なんだろーなー。と考えこみながら亡者へと金棒を軽く振り下ろすA

まるで亡者の悲鳴が聞こえないように一般的な独り言を話す様は少し狂気さえ見える。

「なにをだろう。

────あ、そういえば今日は花街の妲己に用があるんだった」

いっけない、と金棒を担ぎ自身の家(主任寮)へ戻って返り血などをシャワーで流した後Aは衆合地獄へ向かうべく朧車タクシー乗り場へと向かった

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「────あ、これはどうもA様。

ただいま相席になってしまいますがよろしいでしょうか？」

「…え、タクシーに相席も何もあるんですね」

Aは内心困惑しながら朧車タクシーに乗り込もうとしたが、暖簾を開けるとそこにはあぐらをかいた鬼灯と提灯の妖怪がいた。

「おや、よく会いますねAさん」

「それはこっちのセリフだよ…

こちらはどなたですか？提灯お化け？」

変な顔のついた提灯にAは鬼灯の隣に腰掛けて首をかしげた。

すると提灯お化け──於岩はAに進み寄ってうんうん、と頷いた

「これはA様かい？私の若い頃そっくりでべっぴんさんだねぇ

────おわっ！？」

「ぎゃ！？」

於岩の昔話を聞いていると、朧車は急に停止した。

慌てて受け身をとろうとするAに鬼灯はサッと腰に手を回して抱き寄せた

ちゃっかり密着させるのは鬼灯のなせる技であったりする

「どうしたのさ急に…危ないね！」

「…俺の友人なんですけど…なんか飛び方がおかしいような」

Aらが乗っている朧車の目線の先には、確かに少しふらふらと揺れている一体の朧車がいた