弐拾伍 ページ25
「天元様、見てください!」
須磨が完成したAの姿を俺に見せる。
「っ…!」
「あ…」
きっちりと着られていた着物からでは見えなかった首元、鎖骨。肉があまり付いていない綺麗な鎖骨。
髪も高く纏め上げられていて項が見えていた。
着物の金魚の刺繍よりも優美なその姿は酔ってしまいそうだった。
「綺麗じゃねえか。これは凄えな。」
「ウチで育てたーい!!」
「これから何時でも来てね!」
そのまま冨岡の家に帰して独り占めさせるのは癪だから、傘を刺して町を歩く事にした。
「あ、あの…」
「あぁ、急に連れ出して色々して悪かったな。俺は宇髄天元だ。よろしくな。」
Aです。と、知っているが自己紹介をしてくれた。
俺も刀は挿している物の、ちゃっかり着物に着替えた。話をしながら町を歩き、親睦を深めていた。
出店で甘味を買おうとしたら、知り合いが居た。
「あ…不死川さん」
「A…と宇髄かァ。お前ら何してんだ」
「俺がAを仕込んだんでちょっと町を歩いてたんだよ。」
いかにも俺には興味無さそうに、すぐにAに目を向けた不死川。色気が解放された着方をしているAの着物を見、俺を睨み付けた。
出店で買ったのか、袋の中から何かを出してAに渡そうとした、が
「良い餌が一杯だなあ」
何かの手によって不死川の袋は落とされた。
鬼か。確かにほぼ日暮れていて危ない。
不死川は一瞬で刀を抜き、下弦ですら無いその鬼を切り落とした。
けど、次から次へと鬼が湧いて出る。俺も刀を抜き、近くの人に逃げる様に言った。
「何で急に湧いてんだよ」
「知らねーよ。…っA!」
完全に怯えきっているAは立ちすくみ、傘を射すことも忘れて呆然としていた。
過去の悲劇を思い出しているのか目は何処を見ているのか分からない、迷走をしていた。
Aに手を出そうとした鬼の首を切る。
最後の一匹を不死川が切った所で俺はAに駆け寄り傘を射す。
「大丈夫か!?」
怪我は何一つ無く、無事であった。だが傘を射していないので体力が失われたのか、足からがくりと崩れ落ちる。
俺はAの腰を支え、頬を手で包んで熱い接吻を送る。
「んっ、は」
「っ、大丈夫だ」
二年前の家族の事を思い出していたのだろう。新緑の目から涙が溢れ出た。
何度も接吻をしてやり、安心感を与える。
「っは、あっ」
「っ、ん」
涙が接吻の度に口に入る。それで辛さを共有出来ている様な気がした。
まだ一緒に居てやりたかったが、急遽任務が入り、Aは蝶屋敷に任せた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
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西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
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にゃるす。(プロフ) - 最高でした!!細かい描写とキャラ達の心情が凄く心に刺さりました!!こんな素晴らしい作品を作ってくださり有難うございます!!! (2023年1月30日 21時) (レス) id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
Turtle(プロフ) - 色々とやばかったです、、、。゚(っ´;ω;`c)゚。 (2020年11月30日 23時) (レス) id: ae287d31c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 最高です!義勇好きにはたまりません!最高です! (2020年8月7日 14時) (レス) id: c22bf512a4 (このIDを非表示/違反報告)
リーのアニメ部屋 - アアアアアアアアアア!!千寿郎好きだから感謝!頑張って! (2020年8月5日 3時) (レス) id: 9f28f3c3ee (このIDを非表示/違反報告)
暁明(プロフ) - 銀時さん» 読んで楽しんでくださって嬉しいです。面白いお話作り頑張りますね。 (2020年4月28日 13時) (レス) id: 14dbba7e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ice.11 | 作成日時:2020年3月28日 15時