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「お館様の、御成です」
その言葉に、私は静かに端へと移動し頭を下げた。
「おはようみんな、今日はいい天気だね。空は青いのかなぁ」
チラリと一瞬視線を上げれば、胡蝶さんと視線があったが、私が頭を下げていることに驚いた様子だった。
「顔ぶれが変わらずに半年に一度の、”柱合会議”を迎えられた事、嬉しく思うよ」
横でドスッとした音が聞こえた。おそらく炭治郎だろう。
「お館様におかれましてもご壮健で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」
私は驚いて横を見そうになる。
さっきまで騒いでいた男とは思えないほどの口調だった。
「畏れながら、柱合会議の前にこの竈門炭治郎となる鬼を連れた隊士について、ご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか」
私の名が挙げられてないということは、おそらく妨害したという理由でここに連れてこられたのだろう。
「そうだね、驚かせてしまってすまなかった。炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた、そして皆にも認めて欲しいと思ってる」
彼の言葉に、周りの柱は騒ついた。
「嗚呼、たとえお館様の願いであっても私は承知しかねる」
「俺も派手に反対する、鬼を連れた鬼殺隊員など認められない」
8割が認められないという意見だった。
そりゃそうだろう、とどうなるかとピリピリする。
「鬼を滅殺してこその鬼殺隊。竈門・冨岡・雲林院の処罰を願います」
「手紙を」
その言葉に、子供が「こちらの手紙は元柱である鱗滝左近次様から頂いたものです」と手紙を読み出した。
「炭治郎が鬼の妹と共にあることをどうか御許しください。
禰豆子は強靭な精神力で人としての理性を保っています。飢餓状態であっても人を喰わず、そのまま2年以上の歳月が経過致しました。俄には信じ難い状況ですが紛れもない事実です。
もしも禰豆子が人に襲い掛かった場合は、竈門炭治郎及び、鱗滝左近次、冨岡義勇が、腹を斬ってお詫び申し致します」
最後の1名の名に、全員が微かに反応したのがわかった。
一人の鬼のためだけに、3人もが命をかけている。。。。
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人形師(プロフ) - 凄く面白いです!無限列車編書いてほしいと思いました。自分のタイミングで良いのでいつか書いてください。 (2020年3月2日 13時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおいろ | 作成日時:2020年2月10日 8時