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「...切腹するから何だというのか。死にたいなら勝手に死に腐れよ。なんの保証にもなりやしません!!」
「不死川の言う通りです!人を喰い殺せば取り返しがつかない!!!殺された人は戻らない!!」
二人の言葉に、私は今まで静かに下げたままだった頭を上げた。
「確かにそうだね。人を襲わないという保証ができない、照明ができない。ただ、人を襲うということもまた、証明できない」
その後、彼の言葉に周りの柱も黙るしかないようだった。
「それに、この炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」
「そんなまさか!!柱ですら誰も接触したことがないというのに!!」
それには流石に私も驚いた。
柱同様炭治郎を見れば、頭を掴まれていた炭治郎はユッサユッサと揺らされていた。
質問責めにされてかわいそうに、と見ていれば、瞬時に周りが黙ったと思えば、目の前の人物が口元へと人差し指をつけていた。
「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない。おそらくは禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きていると思うんだ。わかってくれるかな??」
ここまで彼が言ったんだ。
わかりました、というしかないだろうと思った時だった。
「わかりませんお館様。人間なら生かしておいてもいいが鬼はダメです。これまで俺たち鬼殺隊がどれだけの思いで戦い、どれだけのものが犠牲になったかッ!!承知できない!!」
すると男は立ち上がり、自身の腕へと刀をつけて動かした。
ポタポタッ....
血が落ちる音に、私は微かに鼻を動かした。
『...稀血か』
確かに鬼であればこの匂いはキツイかもしれない。
私は稀血の中でも独特な香りがするな、と袖で鼻を覆った。
「おい鬼!!飯の時間だぞ、食らいつけ!!」
木箱を足にかけた男は、自身から流れ落ちる血を木箱へ落とす。
「無理することはねえ、お前の本性を出せばいい、俺がここで叩き斬ってやる!!!」
「禰豆子!!!」
炭治郎はグイグイと動くが、身体も怪我をしている身。
「不死川、日向ではダメだ。日陰に行かねば鬼は出てこない」
「お館様、失礼つかまつる」
まさか屋敷内にまで上がるとは思っていなかった。
するとすぐに木箱へと刀を刺す。
「やめろおおぉぉぉぉ!!!」
炭治郎の叫び声が苦しかった。
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人形師(プロフ) - 凄く面白いです!無限列車編書いてほしいと思いました。自分のタイミングで良いのでいつか書いてください。 (2020年3月2日 13時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおいろ | 作成日時:2020年2月10日 8時