【黒バス】黄瀬涼太の姉は女子最強『華の四皇』の1人

12 ページ16

…



試合終了、勝ったのは誠凛。

涼太は1人顔を上げず、コートに立ち尽くしている。
すると、笠松さんが思い切り涼太の背中を叩いた。



黄瀬「いっってえええぇぇぇぇぇ！」

あれは痛い…。
涼太があまりの痛さにしゃがみ込む。


黄瀬「笠松先輩、痛いっすよ。
俺結構落ち込んでるんすけど、もっと優しくして欲しいっすー…」


笠松「あほか！！おめぇ！！！お前はまだまだ弱えんだよ！よくわかっただろ！これが練習試合で良かったと思え！！！」


ふふっ

これは笠松さんなりの励ましなんだろうな。
もっと仲間を頼れって…。


黄瀬「笠松先輩………。………ちょっと頭冷やしてくるっす…」


涼太は何も言わず体育館から外へ出て行った。
黄瀬の姿を目で追いかけている笠松さん、私は隣に並んだ。



『…私、あんなにも楽しそうにバスケをする涼太を久しぶりに見ました。

中学を卒業して、全く連絡をくれなかった涼太が海常に入学してから、笠松さんやバスケ部の事を嬉しそうに話してくれるようになって。
また、あの子のやりたい事がちゃんと見つかったんだ、って…。



だから笠松さん、ありがとうございます。
涼太にバスケの楽しさを思い出させてくれて』






笠松「あ〜…俺、何もしてないぜ？」




笠松さんは私の方を向くと、


笠松「生意気な1年坊主をシバいただけだ。」


そう笑顔で答えた。




笠松さんも涼太が自分やチームメイトを頼ってくれたことが嬉しかったんだ。


『本当に…あの子は良い先輩に恵まれましたね』

13→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す