79話。 ページ32
みさ「状況が理解できませんで……」
臨「俺も無理」
こんにちは、桜庭みさです。
あたしは今、謎の女の子にむぎゅーっと抱きつかれております。なんだこれは。
しかも、どうしてかその女の子からは母さんの匂いがして、くすぐったくて、なんていうか、うん。なんだこれは(二度目)。
「もう、どうしたの？ウチのこと忘れちゃった？」
クリクリおめめの可愛い女の子。
あたしと背丈が変わらないから、皆からすればたぶん小さい。
あたしの隣で臨ちゃんも呆然としてるし、さっき帰ってきたメンバーは皆そうだから知らない子で間違いない。
けど、居残ってたメンバーは、特に驚く様子もない。……どういうこと？
みさ「なにかのドッキリ？」
「なにいってるやんね！」
みさ「ひぇっ、ごめんなさい！」
臨「何でそんなビビってんのお前」
みさ「こんなにひっつかれると緊張する……。
臨ちゃんも体験してみなよ〜」
臨「いや、いい」
なんだよう、遠慮しちゃって。
浜野「ちゅーかみさ、黄名子のこと忘れてる〜？」
みさ「黄名子ちゃんって言うの？」
菜花「そうやんね！菜花 黄名子です！」
みさ「あ、桜庭みさです……？」
菜花「知ってるやんね！」
みさ「え、えぇー……」
なんだろう、この調子狂う感じ……。
でも、初めてじゃない気もする。
既視感？なんでだろう。
ﾌｪｲ「タイムパラドックス……？」
みさ「なんだっけそれ」
臨「お前の記憶力ってどういう仕組み？」
みさ「さあ……」
臨「こいつが成績トップとか俺は信じないからな」
臨ちゃんはこの場の空気に対応している模様。いや、ポーカーフェイスかもしれないけど。
倉間「部員くらい覚えとけよな」
天馬「部員？」
菜花「そうですよー、ほらっ」
とまどうあたしたちに、黄名子ちゃんが勢いよく髪をのけて、背番号を見せてくれた。
見える文字は10。
つまりこの子は、エースストライカーということになる。
……あれ、じゃあ剣城くんは？
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作者名：涼風すず、手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2014年8月26日 19時
