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「玉森、今日さ、飲み会行かない?」
「・・・・は?」
撮影の合間、隣同士で少し他のメンバーと距離がある玉森と二階堂。
二階堂がすかさず玉森に歩み寄り話かけた。
「ミツに聞いたよ。浮気する奴なんて忘れて、一緒に盛り上がっちゃわない?俺たちモテるんだよー?知ってる?でも、玉森が来たら女は皆おまえのとこかなー」
「そんなこと・・・。」
「ミツ、最低だよ。ずっと一緒にいる人を裏切るなんて。許せない」
「・・そうだよな、」
元気あるような声色なのに顔が笑っていない二階堂。そんな二階堂に玉森は強ばっていた顔の筋肉が緩んだ気がした。
飾らなくていい気がした。
玉森は北山のことを怒っている。
だけど、だけど、ムカつくのに、見てしまう。
嫌いなはずなのに。
嫌いになったはずなのに。
スタッフと談笑している北山を。
台本と格闘している北山を。
目を擦りながらぼーとしている北山を。
・・・着替えている北山を。
「こんなんじゃダメだ」
「ん?ごめん、聞こえなかった;なんて言った!?」
ぼそりと呟いた玉森の声は、周りの雑音に消され二階堂の耳には届かなかった。そんな二階堂に玉森は笑い、二階堂の肩を叩いた。
「なんでもない。二階堂。超、超超超可愛い子にしてね」
ニヤリと玉森が笑うと
二階堂は満面な笑みになり、ラジャーと叫んだ。
その日を境に玉森は二階堂と女をとっかえひっかえに遊ぶようになった。
それは二階堂でも引くくらいに。心配するくらいに。
玉森は傷付いた分、人を傷つけるようになった。
本気にさせ、平気で人を捨てるようになった。
180度人が変わってしまった。
二階堂が止めても、玉森は止めることなく、何人とも関係を持った。
そして、遊びではなく本気にさせて捨てる。
それはやってはいけない・・・
ルール違反。
グループでの楽屋は時間が立っても明るくなることはなく、二階堂は崩れていく玉森を目にして余計に北山を許せず、北山とは全く口をきかないまま。
二階堂は北山のことをあんなに尊敬し感謝し頼りにしていたのに。
二人が話すことは収録の時だけになっていた。
横尾はどっちつかずで
宮田は玉森の味方。
千賀も二階堂の味方。
そして、珍しい組み合わせにも関わらず北山の隣にはいつも藤ヶ谷がいた。
それを指摘する者はいなかった。
二人は一緒に台本を読んだり、参考書を読んだり、スマホゲームしたり、いつしかその光景が普通になっていた。
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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして!お話読んでくださりありがとうございます!中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(><) (2018年7月11日 6時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´・・`)本当にご覧頂きありがとうございます!ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね!笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました! (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです!こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております! (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね!恐縮です。ありがとうございます!お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω\)本当にこちらこそありがとうございました! (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月27日 14時