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眠れば全てがリセットされればいいのに…。
そう願って、瞼を閉じる。瞼を閉じると笑ってる太輔が見えて。
いつもみたいな特別に見せる優しい太輔。
もう見れないだろう特別なもの。記憶がそれを否定する。もう見えないなんてことはないと。 また見たいと。また触れてほしいと。また触れたい、と。
不思議と、その日は寝れた。多分泣き疲れてしまったんだと思う。起きれば何もなかったように元に戻っていればと昨夜のことは嘘だと願いながら眠りへと入った気がする。
そして次にはカーテンから射し込む光に目が自然と開いて目が覚めた。
夢は…覚えていない。
隣を見ると誰もいなくて。手を差し出しても誰もその手をとってはくれなかった。
目に入る天井はいつもの天井じゃない。
久しぶりの天井で。…それは想い人のものではなくて。
こんなに悲しい日でも笑って仕事をしなければいけない…。
「つらいなぁ…」
思わず本音をポロリと零しながら、立ち上がる。
“模様替えしよう”
すると太輔の声が聞こえた気がした。
泣きそうになるのを抑え、リビングへと向かう。
「………?」
何か、いい匂いが鼻を霞めた。眉を寄せ、そして考えるより先に顔に笑顔が浮かび走り出した。
「たいすけっ」
太輔が来てくれたんだと。昨日はごめんね、やっぱりそばにいたいと。管理人さんにまた開けてもらったんだ、と。
自分のために味噌汁を作ってくれているんだと。
頭が勝手に都合よくストーリーを作り出す。
「たいすけっ!」
太輔の名前を呼びながらドアを開ける。
「おはよ、ミツ」
だけどそこには
自分の名前を呼ぶ違う声。
「なんで…」
「久しぶりに朝飯作ろうと思って」
頭には?(はてな)が浮かぶ。昨夜は太輔のことで必死で、玉森が来ていたという記憶は消えていたのだ。
「な、なんで!ど、どうやっては、入って!?」
朝から頭が混乱して後退りをする。
「はは、だから合鍵だって。昨日のこと覚えてねぇの?」
玉森はおたまを持ち苦笑いしながらも優しい顔つきでそう言った。
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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして!お話読んでくださりありがとうございます!中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(><) (2018年7月11日 6時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´・・`)本当にご覧頂きありがとうございます!ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね!笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました! (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです!こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております! (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね!恐縮です。ありがとうございます!お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω\)本当にこちらこそありがとうございました! (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月27日 14時